心体育道 たった一人の米子捌練習会
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◆『守破離』心体育道から4人の師範が巣立っていかれました!

2014年最後の練習に参加してきました。
この日は、本部道場のメンバーだけでなく、各支部から指導員やその生徒さんが集まってきました。
そして練習の後は2014年お疲れ様という事で、みんなで忘年会でした。
そこである発表がありました。



心体育道を起ち上げ当時から支えてきた4名の師範が独立されるということです。
そして、この忘年会はお別れ会を兼ねたものでした。
芦原会館時代から本部指導員として空手を続けられて来られた里先生をはじめ、皆様が心体育道の書籍やビデオに出演されている方々です。

「みんな今日は4名固まって座っといてや。最後に卒業の挨拶をしてもらうけんな」
と廣原先生は言われます。



空手の世界では、組織から有能な師範が独立すると、「◯◯会館分裂!」と騒がれます。
そして「独立した◯◯師範はまだ本物でない」、「元の◯◯会は本物で無くなったので自分が本物を作る」など、険悪な関係である事が殆どです。

しかし、心体育道ではそんな雰囲気とは逆な感じで、卒業して門出を祝うという雰囲気です。
そこで、なぜ廣原先生は師範の独立を薦めるのか聞いてみました。

「いつまでの自分の傘の下で練習をしていては、いつまでも吸収する側になってしまうんじゃ。
 今まで十分に習得してきているから、これからは自分の技というものを身につけて欲しい。
 そうなってこそ、また1つ先の世界が見えてくるから。
 だからあえて距離をとって、自分の流派として自分の道着を作って、自分の所で審査も考えて、新たな技も追求してもらう。」



教えを忠実に習得していく『守』の時代。
そこから『破』となる為に、あえて『離』を与える。まさに『守破離』の心です。
組織の規模や強さを重んじて「分裂騒動」が飛び交う空手とは真逆の世界です。

「ゆくゆくは、色々な人がここから巣立っていってほしい」とまで言われる先生。
門下生が本物を追求していってもらう事が廣原先生のやり方です。

◆心体育道 2014年合同稽古

2014年、最後をしめくくる合同稽古に参加させて頂きました。
この日は各支部の先生や生徒が一同に集まります。


今年は5年ぶりに心体育道の審査を受けました。
7月に審査を受けてからずっと本部に行けなかった事もあり、自分の審査結果は分からない状態でした。
今回、練習終了時に廣原先生が帯と賞状を持って来られました。

「やっと渡せたのう。これからもがんばって」

緑帯3級から茶帯2級に上がりました。
これまで無級から5級、3級ときましたが、さすがに茶帯となると飛びません。
そもそもここ3年間の間で練習量が減っているので、3級の頃よりもレベルが高いとは言えないかもしれません。



さて、次は茶帯1級。そしてその後は黒帯を狙います。
30代のうちに黒帯を取ろうと思いながら、まだ30代は長いと思っていたけれど、いつの間にか30代が終わりかけ。
黒帯取得は40代になります。
ここからは練習をしていても身体が衰え、怪我をしやすくなります。
20代の頃のように筋肉で身体を固めて、顔を打たれても首筋で耐えるような事は出来ません。


本部道場ではいつも別室で着替えられている廣原先生ですが、合同稽古の時は体育館を借りているので、門下生と一緒に着替えられていました。
そこで初めて目にした先生の身体は、背中・ハムストリングス・ふくらはぎに筋肉が付いています。
大胸筋等の前面の大きな筋肉よりも、背面の小さな筋肉がしっかり付いています。


これこそ、武道を長年続けていく為の筋肉でしょう。
廣原先生は筋トレの本も出版されているので、勉強になります。
私も毎日地道にまんべんなく筋肉を動かして、空手の出来る身体づくりをしていきたいです。

◆武尊選手 K-1世界王者を目指してがんばれー!

キックボクシング クラッシュ57kg級王者の武尊選手。
先日のK-1旗揚げ試合で、見事にKO勝利をおさめました!
今一番応援している選手で、試合の面白さやスピード感は感動物!ビデオを何度も見てしまいます。


その昔、私はキックボクシングもやっていました。

芦原会館の黒帯をとったばかりの頃の事です。
芦原英幸先生といえば、空手バカ一代の「それってもしかして空手」のセリフと共に道場破りをするイメージです。
若気のいたりというか、私もミーハーな影響を受けてキックボクシングチームに腕試しに行きました。

慣れないグローブ、慣れない顔面有りの遠い間合い。
ヘッドギアもマウスピースも無いので、顔面を打たれながら口の中は血の味でいっぱい。
私の方はサバキを使って、カッティングキックと回し受けからの膝蹴りや、カンヌキからの打撃。
しかし存分に打ち合えて楽しくてしょうがなかったです。

そのうち、僕のガキの頃の仲間たちが集まり始め、さらにみんなでキックボクシングジムを起ち上げました。
僕は空手メインでしたが、ガキの頃の喧嘩自慢たちは、みんなタバコをやめてキックに打ち込みプロライセンスまで取得。


その頃に僕達のジムへ入ってきた一人の少年。それが武尊選手でした。
天才的なセンスでみるみる上達し、そのうち冬休みに単身タイに渡ってラジャダムナンで試合を。
さらに東京のジムに移籍してどんどん勝ち進んで行きました!

今でも米子に帰ってきた時は、当時のジム仲間の元に必ず立ち寄ってくれています。
目指すはK-1世界王者!
これからも大活躍が楽しみです。



◆心体育道 審査会に参加してきました

心体育道には他の空手流派と同じく審査があり、レベルに応じて級~段があります。
空手をやっている方には当たり前の事ですが、級によって帯の色がきまっていて、段を取れば黒帯です。

最初は白帯からスタートします。

無級~=白帯
8級・7級=青帯
6級・5級=黄帯
4級・3級=緑帯
2級・1級=茶帯
初段~=黒帯

というようになっています。

緑帯を締めている私は現在3級です。
最初の審査で無級白帯→5級。そして2度目の審査で5級黄色帯→3級緑帯となりました。

心体育道の審査会は年に1回行われます。機会を逃したら次の年までおあずけ。
機会を逃しながら緑帯のまま5年間が過ぎました。



さて今回は茶帯を狙って審査に挑戦!
級が落ちる事もあるという中、密かに1級を狙っていました。

審査内容は、基本動作・型・自由動作・単発での捌き。
何をやるのかは当日その瞬間まで分かりません。
廣原先生の「捌きの型◯を!」との指示で即座にスタート。冷や汗をかきながら何とかこなしています。

さて結果は・・・・次回、先生の元へ行ける機会に分かります。

◆心体育道「杖術」誕生の話

心体育道には「杖術」という武器術があります。
胸の高さ程の棒(乳切木)=杖を使った武器術です。


日本には伝統的な杖術がありますが、心体育道の杖術は技法が全く違います。
伝統的な杖術は、杖という道具の特製を活かして巧みに持ち替えて攻防を行います。


心体育道杖術は、空手そのものであり心体育道そのもの。
心体育道の動きに杖という武器が加わって、捌きを行っていくというものです。
だから、いつもどおり心体育道を練習して上達していく事が、そのまま杖術につながっていきます。
杖を無しで杖術の型を行ってみると、心体育道そのままの動きです。


杖術教則ビデオ


奉納演舞



ここで疑問が浮かびました。
この技法、どのようにして生まれたのだろうかと。



心体育道の技法そのままを使って武器術を開発しようというコンセプトで考えられたのか。
そうして様々な武器を試す中から、杖が最も良いと考えて、体系立てていったのだろうか。
それならば、沢山の武器がある中で、どこが適していてどんな所が気に入って杖という武器を選んだのだろうか。
そして、心体育道の「この動きに杖を使うのならばどうしたら良いだろうか」と試行錯誤をされながら形を作っていったのだろうかと。



この事を廣原先生に直接聞いてみました。
そうしたら私にとっては、とても意外な答えが返ってきました!




(廣原先生)
「棒を持ったら、なんか次々と自然に技が出てきたんじゃあ。
 こりゃあええ!と思って形にしていったんじゃ。」


棒を持ったら自然に・・・・!
始めから武器術を作ろうとして開発したのではなかったのですね。

◆空手の命は三戦にあり!?

「空手の命は基本練習にあり」と言われています。
私はこの基本練習が好きで、特に三戦立ちの稽古を好んで行います。
ちなみに心体育道には、この三戦での稽古はありません。



私の空手の動きは、とても安定していると言われる事があります。
正確にいうと、安定していると言われるようになったというべきでしょう。

私自身は自分の動きの中に安定感が無い事が一番の欠点だと思っていました。
芦原会館での黒帯を取得してから7年が経過した頃に安定感が出てきたと自覚しています。
ちょうど芦原会館を退会し、キックボクシングも引退し、心体育道に入門した頃でした。

どんな事をしたのか。
稽古日以外の時にも、暇を見つけては三戦からの突きや受けの練習を行っていました。
鏡やガラス窓、ひと目につかないエレベータ内の移動時など、とにかく三戦の練習を行いました。

力のロスなく、地面を蹴った力がそのまま身体の中を突き抜けていく感じを得るまで、
寸分のブレも無くしていこうとひたすら練習を行っていました。

その結果、三戦が面白く感じられるようになったのです。
やってみると分かるのですが、三戦には空手らしい戦い方、思想や目的意識が込められています。
空手とは何を実現する為に特化した武術なのかが体感として感じられます。
逆に空手が捨てているものも見えてきます。


三戦に関しては書ききれないほどネタが生まれてきます。
例えば右三戦の少し踏み出した右足。この足の一番重要ポイントは何なのか。
私は右足付け根の、大転子の部分を一番強く意識しています。
ここの使い方を意識するかしないかで、右三戦の練習効果は随分と変わります。

今は、左右両方の練習の為に、右三戦・左三戦両方の練習をしています。
左右両方に対応する為といっても、平行にした三戦ではダメなのです。
大転子の操作感覚を練習出来ないからです。


こんな事を感じられるようになった頃、やっと安定していると言われるようになってきました。
そしてその頃には、もうスポーツ的な全盛期も過ぎ、ケンカ十段に憧れたイケイケ感も無くなっている頃でした。
プロとの他流試合や、総合格闘技とのスパーもすっかり無くなっていました。


黒帯取得までに身に付けられたら良かったのですが、
我ながら随分と回り道をしたものだと感じられます。



◆金的寸止め

久しぶりに本部道場へいき、廣原先生と共に練習をしました。


練習では、型の稽古が半分くらいを占めています。
心体育道の型は金的への攻撃が非常に多いです。ほとんど急所への攻撃で崩してトドメを指します。
型の練習を2人1組で相手を付けて行うのですが、その時、金的への攻撃は寸止めで行います。


廣原先生の金的寸止めはメチャクチャ上手い・・・というか怖い!

あの「バシュ!!」という擬音が合いそうな鋭い蹴りで、金的に寸止めが来るのです。
しかも寸止めといっても道着と皮に少し当たっているのです。
ほとんど触れる程度ですが、「パン!」と必ずインパクトの感触があります。


想像してみて下さい・・・・


風を切る鋭い蹴りが、自分の金的にわずかに触れて、弾くように引いていく感覚を。
もし1センチでも深ければ悶絶するはず。
間違ってフォロースルーが入ったら、潰れてしまうかもしれない。


先生と組んで練習をさせて頂いた時には、型の練習の中でもこんな経験をするのです。


◆最強の武術・格闘技とは・・・

若いころは、最強の武術・格闘技は何かという事にとかく興味がありました。
○○○が強いとか○○○は実践的ではないとか。


なぜそんなに興味があったのだろうかと考えてみると、最強の武術・格闘技を習得して無敵の漢になりたかったのです。
仮に最強の武術があったとして、それを習えば他の武術は太刀打ちできなくなる。
まるでゲームの攻略法のように、極めてデジタルにとらえて信じていました。



ところが実際に道場に通い始めると、武術の研究成果は虚しく、先生や先輩達の強さに圧倒されました。
今現在は認識が変わり、どの流派の技も考え抜かれ素人の浅知恵など及びもつかない素晴らしいものだと思っています。最強の武術・格闘技・流派など考える意味を感じなくなりました。




では、今もし最強の武術は何と聞かれたらどう答えるのでしょう。
最強を求める理由が、自分自身が強くなる事だと考えると、再現性のある理論と練習体系で誰もが強くなれる流派を選べば良いと思います。


一つの見方として、弟子が独立して流派を起こしている流派は、弟子が強くなる仕組みに長けていると思います。
そこが普通の人にとっての最強の流派になるかもしれません。
最強を目指して論議するよりも、まずは稽古です。

◆裏の捌き

心体育道では武術の面を表の捌きと位置づけ、健康法を裏の捌きと位置づけています。
今の日本で護身という面を考えた場合、外敵に襲われる事よりも自分自身の健康を害する事の方が、圧倒的に確立が高いでしょう。

私自身は心体育道の技を使う必要性に迫られた事は、ここ5年で1回だけです。
それも1年程前にちょっとしたケンカを止めに入った程度です。
田舎のせいかとても平和。しかし健康を害する危険性は常に隣り合わせです。
そんな状態なので、あらためて心体育道の教則本を読み返していました。



そこに裏の捌きとして食事法が載っていました。
一般的には朝食はしっかりとろうという事になっていますが、心体育道では朝食はとらないのが良しとされていた。


廣原先生は実際どうしておられるのか。
前回の稽古の時に直接聞いてみました。


「朝食は食べない事がおおいなあ。たまにパンとか食べる事もあるけど。
 まあ、あんまり食べんようにしとる。
 朝食はとったほうがええっていう人もおるし、とらんほうがええっていう人もおる。
 いろんな見解がある。

 心体育道では呼吸と同じで、まず吐き出してから吸うことにしとる。
 朝の場合はお腹が鳴ってから食べるのがええじゃろう。」


というような話をきけました。
私も朝食は無しというようにはしていませんが、少なめにしています。
無しにしてそのまま仕事をしだすと、深夜まで休憩無しで働いて、夜にドカ食いしてしまう事があるからです。

それにあまり野菜を食べないので朝食で野菜を食べるようになりました。
若干体がすっきりしてきた気がします。










◆初動の対処で相手がどう反応するのか

久しぶりに廣原先生との練習。
ここでいくつかの疑問を解消できました。


かつて私は、心体育道の型を練習していて不自然に感じる事がありました。
それは相手の1挙動に対して、こちらは3挙動位の動作がある事。

例えば「捌きの型2の11」。
相手の右ストレートパンチに対して、左斜め後ろにステップバックをしながら右内受けと同時に左ボディパンチ。
ここまでは3つの動作を1挙動で出来るので、相手の1挙動に対してこちらも1挙動なので問題ありません。

問題はここから。
相手は右腕をパンチを打った状態で、こちらはさらに左裏拳を相手の顔面へ。
そしてさらに左腕で相手の肘関節を極めて倒す。

相手は1挙動なのにこちらは2挙動も3挙動も出来るっておかしくないか。
相手は止まって待っていてくれるのか。
そんな疑問を持っていました。



はたしてそんな事が実現するのか。
・・・実現するのです。



初動の部分。
相手のパンチに合わせて内受をしながらボディパンチを決める。
この状態でボディに決まれば、相手は必ず前かがみになる。
だからこそ前に崩れる相手に対して顔面裏拳が入る。
裏拳が入ると体が反り返り、腕が延びる。その伸ばした腕を決められる。

なにも相手が技をくらう為に、パンチを打った体勢で固まって待っていてくれているわけではない。


心体育道の型は、物理的・生理的に相手がどう反応するか研究して作られている。
金的を蹴ったら、前へ崩れる。だから中段に肘を入れるなど。

そんな観点から型を見直していく。
初動でどんな対処をするのか、二挙動目でどんな攻撃を入れるのか。
初動と二挙動目の間に、相手がどんな反応をする事が想定されているのか。

それを観ることで、人間はどんな攻撃に対してどんな動作をするのかを知る事ができます。




現実の課題は初動をきちっと決められるかどうか。
ここが修練のポイントとなるでしょう。
そして、それは相手より技量が上にならないと決める事が出来ない。
捌きというものは、相手より技量が上だからこそ実現するものだと実感しました。