じこ報告書 -386ページ目

自己報告1

子供の頃から空を見るのが好きだった。
大空を泳ぐ雲が好きだった。

代わり映えしない生活の中で、退屈を紛らわそうと天を仰ぐ。

すると、空は数秒ごとにその表情を変えた。

自分もその中に溶け込んでしまうのではないかという錯覚を覚える。

昨日と同じだと思っていた今日が、全く違うものだと気付かされた。

そう気付かされたことすら過去のことなのだと気付かされた。





一人の写真家に出会った。彼女は空の写真を撮っていた。