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読んだ本とか備忘録

草をわけて 続く道と
みえない空の道が
どこかで 出逢いそうな日
モーツアルトの木管がなっている

――岸田衿子 『ソナチネの木』より

桜の開花宣言も出て、いよいよ春本番。




上野公園をふらふら。


「孤独のグルメ」 コミックスでゴローさんが入ってましたね(^-^;)

たとえ桜の樹の下に屍体が埋まっていたとしても。
やっぱり桜は美しい花。

指先にも桜。


さしたる目的もなく戸建不動産会社に就職した「僕」。そこは売上という結果以外、評価されない過酷な職場だった。
ある日突然、異動命令という戦力外通告を受ける。異動先の課長にも辞職を迫られるが、ある日、様々な運も幸いして一つの物件が売れ、周囲からも徐々に認められ…。
第36回すばる文学賞受賞作。
(「BOOK」データベースより)

社畜小説、というのだそうである。
名門大学(おそらくモデルはKO)を卒業して、何故か不動産会社に就職したごく普通に人の良さそうな主人公は、まったくひとつも物件が売れない。

罵倒に継ぐ罵倒。左遷。
主人公が受ける仕打ちは、読んでいるこっちまで気が滅入って来る。
あああああ!!もうやめちまえよっ!! と思うし、主人公もそう決意したはずなのに、何故か誰にも売れなかった物件を売り続ける主人公。
と、それが奇跡的に売れて…

めでたしめでたしの不動産営業マンのサクセスストーリーかと思うと、それがそうではない。
なんだかよくわからないのである(汗)

主人公が初めて物件を売ることに成功するまでの過程は、いろいろ胸糞悪いエピソードはあるのだけれど、
「潜入!!大手不動産屋24時!!」みたいな読み物と思えば、野次馬根性でそれなりに面白く読める。

でも、それだけ。

私の想像力と、行間を読む力に問題がある可能性も否定出来ないけれど、私が知りたかったのはこの後なんですけど!?
課長は何者なのか、何を考えてるのか、主人公がこれからどうするのか。

純文学(違うの…?)ならその辺をもっとしっかり突っ込んでくれないと!
…とまでは申しませんが、あんまり小説を読んでる感じがしない小説。
それだけリアリティがある、ってことなのかも知れないけれど、文学作品を読みました、
って気分にはまったくならない文学賞受賞作品なのであった。
ブログがきっかけで偶然出会った大手商社につとめる栄利子と専業主婦の翔子。互いによい友達になれそうと思ったふたりだったが、あることが原因でその関係は思いもよらぬ方向に―。
女同士の関係の極北を描く、傑作長編小説。
(「BOOK」データベースより)

そんなに女友達の有無は重大な問題か!?

…というのがいちばんの感想。
いや、中高生がそういうならわかるし、共感もするのだけど、栄利子も麻子も30歳。
栄利子なんて、完璧な美人で、一流商社に勤めていて、年収1,000万超。
うーん。私が栄利子なら、女友達がいないことに、なんの劣等感も持たないと思うけど。

専業主婦で人気ブロガーの麻子にしたって同じ。
(私には自分の夫を「魔王」と呼ぶのがどうセンスが良いのか皆目わからんけど)

なんなんだろう?
そこまで持っている人には、「女友達がいない」という欠けた部分が気になってたまらないのか。
こんなにいろいろ持ってるんだから、女友達なんて別にいらないしー
かえってサバサバするわー
っていう思考にならないのが実に不思議。
欠けているものがね、まだ恋人とか、お金とかならわかるんですけどね。

いや、私は別に女友達が不必要だと言っているわけではないし、いればそれは楽しいに決まってる。
でも、血眼になってまで探さなきゃならないものかと言われればそうでもないし。

養殖のため、ヴィクトリア湖に放たれたナイルパーチが、湖の固有種を喰いつくし、生態系を破壊してしまう。
ナイルパーチだって、本来住まうべき場所でない湖に連れて来られたからそうなっただけで、
湖に放たれさえしなかったら、自分がそんな獰猛な、時に共喰いさえしてしまうような肉食魚だと気づかずに済んだのに。

…「ナイルパーチの女子会」というのは、時にそこまで血まみれになる女同士の友情(?)のことを言ってます。
なら、わざわざナイルパーチが自ら進んで湖に入るような真似をしなきゃいいんじゃ、と思うけれど、無い物ねだりをしたくなるのが人間の性とか、弱さなのでしょうかね。

とにかく、登場人物のほとんどがまともな感覚の人間ではありません(汗)
いくら女性がややこしいからって、ここまでヘンテコな人ばかりではないし、男性の友情が必ずしもサバサバしてるとは限らないのでは。

結論。私は猫でも撫でてひとりでいる方がマシ。


202X年9月30日の午後。日本の某空港に各国からの便が到着した。
超巨大台風の接近のため離着陸は混乱、さらには通信障害が発生。そして入国審査で止められた11人(+1匹)が、「別室」に連行される。この中に、「消滅」というコードネームのテロを起こす人物がいるというのだ。
世間から孤絶した空港内で、緊迫の「テロリスト探し」が始まる!読売新聞好評連載小説、ついに単行本化。
(「BOOK」データベースより)

久々の恩田陸さん。
恩田作品には散々「途中まではメチャ面白かったのに、はぁ?なんなのこの適当なラスト!!」
という思いをさせられてきたので、今回は「今は面白いが、きっとラストはたいしたことない」
そう自分に言い聞かせて頁を捲る私。
(それが正しい読書の在り方かどうかはともかく)

きっかけの警報音はとても派手で、まるで「宇宙戦争」が始まりそうな予感満載なのだけど、その後の展開は非常に地味。
善良な市民にしか見えないこの11人(と1匹)の中の誰がテロリストなのか!?
それを見つけるまでは空港から出られない…

地味ではあるのだけど、追い詰められたそれぞれの心の動きは面白いです。

ただこれ、もともとの新聞連載で読んだら、相当にイライラしそう(汗)
500頁を一気に読める作品なので、この展開を1年をかけて知るのは私には辛い。

ラストにその「消滅」の意味するところが明らかになるのですが、
うーん!? これが消滅した世界はどういう方向に進むのか、簡単なようでなかなか想像が難しいのです。

で、まぁね、尻すぼみな感は今回もあるんですけど、覚悟を持って読んだせいもあって、今回はいつも程ではありませんでした。
でもさー、本当はこの人は無関係(であるはずないと誰もが思うだろうけど)であって欲しかった。
その方が私としては楽しめたなぁ。

そして、キャスリンとは、いつかまた恩田ワールドで再会できるような気がするんですよね。



九州交響楽団の第345回定期演奏会に行ってきました。
ここに暮らしてもうずいぶん経ちますが、実は九響の定演に行くのは初めて。

ドイツの巨匠 ゴロー・ベルクの世界


街にはクリスマスツリーが飾られて、イルミネーションも華やかだけど、この気温の高さは何!?
まったく晩秋の趣も感じられないけれど、晩秋と言えばブラームスでしょ!!
この陽気で、夏から「ブラームスにはこの服を着て聴きに行く♪」
と決めていた服も着られなかったけど(^∀^;)

開演前のロビコン

ブラームス/クラリネット五重奏曲ロ短調 Op.115 第1楽章


演奏会の感想を書くたびに思うのだけど、この感動を上手く表現する語彙と知識を持たないのは、本当に残念なことです。

いやー、もう本当に素晴らしかった!!
ゴロー・ベルク氏の指揮も、アンナ・ヴィニツカヤのピアノコンチェルトも!!
(ソリストアンコールはシューマンのトロイメライでした)

ドラマチックなピアノコンチェルトも、楽しみにしていた交響曲3番も!!
失礼を百も承知で書けば、九響素晴らしい♪見直したよ!!(何様…)
今まで聴かずにいてごめんなさい(汗)
この厳しいご時世の中、地元に頑張っているプロオケがあるというのは、本当にありがたいことです。

それにしても、やっぱり秋にブラームスはよく似合う♪ 大好きだ(*´∀`*)