『好きな人にこの海辺で告白をすれば付き合える』


誰が流したかわからへん、へんてこな噂はあっと言う間に学校中に広まった


あたしは関係ない話なんやけどな


「さや姉、帰ろ♪」


幼馴染の山田
学校で1、2を争うほどモテモテ
そんな山田は
学校で1、2を争うほどヤンキーのあたしとずっと一緒におってくれる


山田は優しいから幼馴染のあたしに友達として接してくれとる

そんな山田があたしは好き


「山田、今日バイクやから一緒に帰れへんねん」


流石に山田とにけつしたら山田まで悪いイメージになるかもやし


「そっか…」


わかりやすいほどしょげてる山田


「…あんたがよければにけつするか?」

「え?」

「悪いイメージつくかもやけど…」

「いいん?」


さっきのしょげはどこに行ったのかってくらいキラキラした顔になった山田


「メットは2個あるし…」


「やったぁ♪」


くしゃっと笑った山田


「さや姉、はやくっ♪」


バイクに乗るのが初めてのはずの山田はあたしの腕を引っ張って靴箱にいった


「じゃ、山田、門で待っとって」


「わかった」


ニコッと笑った山田は門にいった


あたしはバイクを取りにいって門にいった


「山田」


「これ、さや姉のバイク?」


「正確に言えばお兄ちゃんのやけどね」


「かっこいい」


そんなキラキラした目でみーひんくても…笑


「はい、メット」


「ありがと」


ヘルメットをかぶった山田のカバンを入れてバイクにまたがった


「危ないから、手、お腹にまわしといてな?」


「はぁーい」


ギュッと腕をまわす山田


「怖かったら言ってな」


「うん♪」


バイクをすこしふかして家路についた


「海、きれいやね…」


海岸沿いを通って学校に通わないといけんかは海はいつもみとるけど、なぜか今日の海はいつもと違った


「山田、寄り道しよー?」


「さや姉、聞こえないー」


「よーりーみーちー」


「ええでー」


近くのテトラポットの横にバイクをとめてテトラポットにのぼった


「なんか、いつもと違うよな」


「さや姉も思った?
私も今思ったねん♪」


一緒のこと考えとるなって笑う山田がいつもの山田じゃなかった


「この海辺で告白したら付き合えるって噂、ほんまやと思う?」


「噂やからなぁ笑」


「でも、ほんまやったら…」


あ、今日の山田がいつもの山田じゃないのは表情のせいや


乙女の顔になっとる…


あたしの知らない山田…


山田は恋しとるんやね…


「さや姉…」


隣で夕陽を見ながら手を握ってきた山田


握り返すことはせずに、そのままでおった


「噂でも、なんでもえーねん…」


「ん?」


「私、さや姉のこと…好き」


え?


「さや姉のことが好きやねん…」


山田が?
あたしを?


「さや姉とじゃ釣り合わへんけど、誰よりもさや姉が好きな自信ある…
さや姉のことが好きです」


これは、ゆめ?


「…」


「さや姉がどんどん離れていっちゃいそうでいややねん…
昔みたいにさや姉の隣におりたいねん…」


「山田…」


あたしからしてみれば
山田がどんどん離れていっとっていやや


「さや姉が好きやねん…」


「あ、あたしも…すき…」


「え?」


「あたしも山田がすき」


「うそ…」


「ほんま」


「っ~…」


ふにゃっと顔が崩れてどんどん目に涙が溜まってきとる山田


「ちょ、山田!?」


「さや姉…」


山田の目から涙があふれた


「泣くなやぁ」


両手で山田の顔をつつんで親指で涙を拭いた


「さや姉、すき…」


「うん、あたしもすきやで」


「ぅ~…」


「山田…」


「…きゃっ」


目をギュッと瞑って涙をこらえとる山田が可愛くて抱きしめたら小さな悲鳴が聞こえた


「さや姉?」


「泣くなや」


「さや姉…」


ウルウルしとる山田の顎をくいっとあげて優しく唇をかさねた


「ん…」


ちゅっとかわいいリップ音が波の音と共に聞こえた


次の日学校に行くと付き合ったってことが学校中に知れ渡ってた


-END-



はい、さやななです!
好きです、さやなな!!笑

ついでにコメントもくれたら喜びます!