片づけをしていた時に出てきたものです。
 
何か感じるものがあれば幸いです。
 
 
 
 
【フレデイの遺言(全文)】
 
私がまさかボケることはないと
 
思われるかもしれませんが、
 
先の事は私にもわかりません。
 
 
万が一の時のために、家族や、
 
私の介護にあたって下さる人へ、
 
次のようなことを
 
今からお願いしておきたいと思います。
 
 
私が医者だったことを、まず忘れてください。
 
私は過去とは別の人間になってしまったのです。
 
 
『しっかりして!』と大きな声で怒鳴られても、
 
ただ恐ろしいのでおびえるだけです。
 
ですから、私に何か言いたいことがあれば、
 
笑顔で優しく、簡単に話してくださいね。
 
 
きっと私は変なことを言うと思います。
 
例えば、『蛇がいる』と言ったら、
 
『じゃあ、追い出しましょうね』と
 
私の要求をまず受け入れてください。
 
 
『ごはん、まだか』と言ったら『お腹が空いたのね』と
 
優しくクッキー1枚くれれば満足です。
 
 
それから私は何をやっても
 
すぐ忘れる病気の人だと思ってください。
 
もちろん、目の前の人が
 
誰なのかもわかりません。
 
 
ただ、あなたが私の目をしっかりと見て、
 
優しい声で話しかけてくれたら、
 
きっとあなたが大好きになります。
 
他の人が言う事を嫌がっても、
 
あなたなら聞こうとします。
 
笑顔が好きだからです。
 
 
私の頭の中はモヤーッとしています。
 
だから、とても不安でいっぱいなのです。
 
夜は正直、何かが出てきそうで、とても怖いのです。
 
そのために、騒ぐ時があるかもしれません。
 
そんな時でも叱らないで、
 
優しく肩を抱いてください。
 
 
私の心が寂しい時、
 
私が若いころに
 
大好きだった曲を聞かせてください。
 
どんなに知性が破壊されていても、
 
その分、感性だけは豊かなのですから。
 
 
私は、こうした事を
 
ごく自然にしてくれる
 
心優しい人に囲まれて、
 
余生を過ごしたいと願っています。
 
 
 
 
 
 
この人はお医者さんだったのですね。
 
色々な病気の患者さんを診てこられて、何か感じる事があったのでしょうか?
 
しかし、このことは誰にでも当てはまる事だと思いました。
 
 
 
しまって置くのは勿体なかったので掲載させていただきました。
 
 
つらい介護をされている人もいるかと思います。
 
その分、本人もまさかという思いで介護されているのかもしれません。
 
ほんのちょっとでもいいですから、心に寄り添ってあげる時もあればと思います。
 
 
 
 
『ありがとうございます。』