◆6:鍵穴と恋心と◆AsH Dr eAM ResteR(悪夢の停留所) ~時が止まったハロウィン前日夜~10/30

—「…オレさ、マホナに言わないといけないんだ…、オレ——」

マホナの瞳に涙が見えた。でも、彼女は笑顔だった。

「…うん。」

*◆*

オレはユーノのおかげで家まで無事にたどり着いた。扉は、さっきの彼が開けたままにしていたようで鍵はかかっていない。

そっと家の玄関となる扉を開き、中へと入る。
とても優しい感じの木でできた家だ。
けれど、ものが少なく何か寂しげだった。

入り口からすぐの部屋にはテーブルとイスがあり、テーブルの上には“赤い絵本”が“花蜜のつくりかた”のページが開いたままだった。

カタン

隣りの部屋から音がした。僅かに開いた扉からそっと見ると

SEic(セイク)『!…マホナ!?』

赤いフードをかぶった女性がいる。その顔は、間違いなく、ドリームタウンではオレの大切な存在…マホナだ。…けれど、赤い魔女の魔力のためか、心の闇が彼女のあどけなさを消し、とても怖いほどの神秘さを宿している。
オレは、その無表情な彼女に声をかけれなかった。

カタン…カタン…

おそらく、花蜜をつくるための道具が動いている音だろう。

静かな空間にその音だけが響く。

またオレは、自らを責めるような気持ちがよぎる。
『彼女の迷いの心に気づけなかった自分』…でも、同時にユーノの言葉も思い出す。

[人の心はたくさんの鍵がついてる。気づけない方が普通だよ。だから、心が通じ合うことは2つの鍵穴がそろうこと…それを“奇跡”と呼ぶはずだよ]

心の鍵穴の一致は奇跡…。
彼女の鍵穴がわからないのは普通のことだ。

その奇跡を起こせるような存在ではない自分にやるせなさを感じ、その部屋から離れた。

SEic(セイク)『…でも…今なら遅くないはず…』

彼女からの言葉ではなくても、彼女の心を知ることができた“今”なら…

こんなオレでも奇跡を起こせるなら…

オレは心からそう願い、奥の部屋へと進んだ。


***

奥の部屋に通じる廊下を歩く。
その廊下にはマホナが好きそうな絵が飾られている。

SEic(セイク)『…そういえば最近…絵の話…してなかったよな』

彼氏彼女になってから、そういえば、マホナが絵を描いている話を聞いたことがなかった。
マホナは趣味が絵を描くことだったはずだ。でも、最近は絵を描いている話はしていない。

SEic(セイク)『…やっぱり…心が変わったってやつなのかな?』

ユーノは、女の子の方が“恋”で大きく変わるのだ、と言っていた。それは自然のことらしい。
だから、それを聞いて何か複雑だった。
オレは…マホナに変わらないで欲しいと思う気持ちもあった…だからずっと…幼い頃からの“好き”の気持ちを言えずにいたのだ。
今回、気持ちを伝えられたのは、マホナがオレに“好きの気持ち”を伝えてくれたからだ。

奥の部屋の前まできた時、入り口の前に“星”の絵がある。
黄昏時の空に光る星が2つ…
その星は、優しく…切なげに輝いているように感じた。

SEic(セイク)『…マホナ…オレは…』

何かの気持ちを宿し、オレは扉を開けた。


◆6:鍵穴と恋心と◆AsH Dr eAM ResteR(悪夢の停留所) ~時が止まったハロウィン前日夜~

作者:砂水雫☆*
作成:2016/10/22&
2017/10/30

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