◆7:ハロウィン当日ト夢ト守りたいもの~最終話~◆AsH DreAM ResteR (悪夢の停留所) ~時が止まったハロウィン前日夜~ 10/31
—‥SEic(セイク)「ユーノ、最悪を止めるにはどうしたらいい?」
冷静さを取り戻し問いかけるオレにユーノは言う。
ユーノ「簡単じゃないけど、“完成”を止めることだね」
*◆*
—オレは、彼女の瞳に誓う。
この約束を果たす。
それがオレに‥
“彼氏だったオレに”
唯一、できることだ——
***
そこは、彼女の幼い頃のオモチャ箱のように可愛いらしいオモチャがあつまっている部屋だった。
オレは、その部屋の奥に小さなプレゼント箱を見つけた。とても大事そうにテーブルに置かれている。
オレはさっきの衝撃で割れかけている眼鏡を押さえながら、その箱を覗き込んだ。
SEic(セイク)「!?…なんでこれが…ここに!?」
カタン
部屋の扉近くで足音がした。
SEic(セイク)「!」
オレはすぐに“誰”の足音なのかに気づいてしまい、足がすくむ。
振り向けずにいると、相手から声をかけてきた。
「あーあ。プレゼントなのに先に中身を見ちゃうなんて、女の子に失礼だよなぁ~」
オレはその言葉にも反応はできない。
相手の足音が真後ろで止まった。
「でも、まあ、受けとりなよ。それは“君の”だろ?…SEIYAくん」
、、カラン、、
その言葉で肩を叩かれ、かけていた眼鏡がずれ落ちてしまった。
…そう…さっきの衝撃時にやはり、“彼(人間だった時の自分)”に“顔”を見られていたのは間違いなかった。
彼は“オレも元は人間のSEIYA”であることを知っていて、オレがこの部屋にたどり着くまでそのままにしていたのだ。
オレは彼を見ずに言葉をこぼす。
SEic(セイク)「…じゃあ…お前が“存在を宿しているもの”っていうのは…」
彼はたぶん、そっと微笑んだ。そして言う。
「そうだよ。その“人間だった時のSEIYAが夢の町に置いてきた水の短剣”だ。」
…そう…オレは、夢の町と悪夢(闇の世界)を救うためにこの闇世界にきた時、自分の魔力の1つ“聖水剣”の力を夢の町へ置いてきていた。神子の力だけを持つことでオレは、友人である死神を倒さずに済んだのだ。
オレは1つ疑問が浮かんだ。彼が“どっぺるげんがー”的な存在なら…
SEic(セイク)「受け取ったら、お前は“オレ”に存在を取られたことになるんだろ?いいのか?」
その問いかけに彼は、当たり前のように答える。
「オレの存在を望んだ“彼女”がそれを願うなら、オレは構わないさ」
『君の純粋さが、彼女を変えるきっかけになってしまったかもしれないね』
ユーノの言葉がよぎった。
SEic(セイク)『“これ”が“オレ”の“純粋”ってヤツなのか?』
オレ自身にはやはりわからなかった。けれど、彼の気持ちもわかる気がした。でも…
SEic(セイク)「それで“彼女”の願いが叶っても…“MAHONAの気持ち”を失わせさせるくらいなら…彼女の願いを叶わせたくない…!」
オレの言葉がよほど意外だったようで、彼は言う。
「なんだよ…それ!…彼氏なら、“願い事”を叶えてやりたいって思うだろ!?」
その言葉を背中で聞いて、オレはそっと笑う。
SEic(セイク)「あはは…やっぱり…オレは“彼氏の器”じゃないよな(笑)そうだと思ってたんだ」
その言葉に彼は困惑し、言葉が出ない。
そう…この“気持ち”は、人間だった時の自分にはわからない気持ちだからだ。
SEic(セイク)「彼女の願い事が、叶わないようにする…それが、
オレにできる“彼氏だったオレ”に唯一できることだよな?」
オレは、誰に言うわけでもなく呟く。
後ろにいた彼は、何かに気づき止めに入った。
「何、考えてるんだよ!?」
彼がオレの手を止める。
オレは、それを振り切りその短剣に手をかざした。
オレの背に天界の力を宿し、天使の翼が現れる。
その清らかな力を感じ、オレはその力を手に集める。
SEic(セイク)「…消えろ。水剣…水になってこの世界《悪夢》から…」
オレの“言ノ葉《呪文》”を聞き、水剣は波紋を受けたように揺れ…水のように流れて消えた。
「…な…んだよ…それ…?じゃあ…お前は…」
その剣に存在を宿していた“人間だった時の自分”もまるで水のように流れて消えた。
オレはため息をつく。
SEic(セイク)「…やっぱり(笑)“彼氏”って柄じゃなかったよなぁ~」
そう言って部屋の扉へ向き直った時、赤いフードを被った魔女の姿の“彼女”が扉の前に立っていた。
“彼女”は、夢の町の彼女とちがって相変わらず無表情だ。
その彼女にそっと微笑みかけた。
SEic(セイク)「…プレゼント…ごめん。先に見ちゃったんだ。だけど、オレは受け取れない。“あの頃のオレ”と“今のオレ”は同じじゃないから…。でも“気持ち”は嬉しかったよ…」
そう言った時、自分の魂《意識》が揺らいだのを感じた。わかってたんだ。“こうなるかもしれない”ことは。
天使として未熟なオレは、あまりにも長いこと“闇世界”にいるで“天使としてのパワーをいつも以上に消費している”状態…それなのに“自分の存在に関わるもの”をこの手で消した…。
天使としての“浄化の力”を初めて使ったオレのエネルギー消費はおそらく限界まで来ていた。
彼女の前で膝をつく。
オレはそのまま、たぶん、意識を失い、倒れたのだと思う。
*◆*
あの、ハロウィン祭り飾りの空の下、
オレは“世界で一番に愛しかった女の子”の告白を受け入れて、そして拒んだ。
“彼女の未来《最悪》”を壊すために。
「オレもマホナが好きだ…でも、マホナと“親友”になりたい。オレ、誰にも負けないくらいの親友なるから…待っててほしいんだ…。」
***
SEic(セイク)には、はっきり言ってはいなかったが、
おそらく“どうするべきか”は悟ることができるはず…
おれは、その予想は当たる確信はあったから、SEic(セイク)を1人でそこまで行かせ、赤い魔女の足止めをしていた。
《あら…失敗したのね》
赤い魔女は、何かを感じとり、セイクが向かった方へと囁いた。そして、おれに向き、
《クスクス…やっぱり…元守り人のアナタには敵わないみたい…ね》
そう言って赤い魔女は消えた。
おれはすぐにその部屋へ向かった。
「セイくん!起きて!セイくん!」
倒れただろうSEic(セイク)に“赤いフードの魔女”からマホナとして気持ちを取り戻した女の子となった“彼女”が寄り添って声をかけている。
『…無事、最悪は防げたけど…やっぱりか…』
今日はすでに時間が動き始め、“ハロウィン当日”だった。
本来、SEic(セイク)はハロウィンの夜に天界へ旅立ち、天界の空気で地上で消費した天使としてのパワーを回復しているはず…その前に“自らの力”を使ったのだから、体力が一気に削られるのは予想ができた。
ユーノ「落ち着いて…。彼は気絶してるだけだよ」
そう、彼女に声をかける。うなずいてはいるが、おそらく何が起こったのかは、自分を取り戻したばかりの彼女にはわからないだろう。
「わたし…あのね、夢?で?かな…セイくんに“親友”になろうって言われて、、泣きそうになったけど…でも嬉しくて…」
彼女の言葉に“悪夢の最悪”は防げたのだ、とおれは確信した。
SEic(セイク)は、あの過去の“両想い”の告白を“夢でやり直す”ことで、今までの彼女を取り戻したのだ。
彼女の言葉に頷きつつ、おれがセイクに近づいた時、“光”が邪魔をした。
「あれぇ?この光って…」
どうやら、彼女は見たことがあるようだ。
おれは警戒すると
》…キミはやはり“夢を集めることを選ばれた者”…だね。《
光がおれに言う。
おれは言った。
ユーノ「すべてはアナタが望んだ“悪夢”ですね?」
その言葉に返答するように、光は幼い子供のような姿になり言った。
》僕たちの“願い事”に“彼(夢に選ばれし天使)”は邪魔なんだよね《
無表情のその存在は、古代の封印されし神の1人…
星(光)のETOILE(エトワール)神だった。
おれは前回のハロウィン後日に“夢世界”で、
ある“夢という名の少年”に出会ったことを思い出した。
あの少年は“夢を叶えたい”と言っていた。
それには“セイクの歌声が必要だ”と…
おそらく、この古代の神は、その少年の願い事の邪魔をしたいのだ…とおれはすぐに繋がった。
*◆~【星になった少年の物語】*
『いちばんボシ(惑星)《新月の夢に》』
願い事を叶えておくれ
ぼくの祈りを
夢がぼくに囁いて
未来を夢から描きたい
ぼくが生まれたその月に
たくさんの夢が歌いだす
そのたくさんの夢のために
ぼくができることを
夢が
たくさんの日々とたくさんの人々と
仲良くしながら
笑顔で
そんな未来にしていきたい
たくさんの夢が輝く
ぼくが生まれた月に
たくさんの大切なものたちと
キラキラ輝く夢を歌いながら
あの
ぼくが生まれた月に
ぼくはたくさんの夢を叶える
きっと…☆*
*◆~惺夢~*
—‥SEic(セイク)の腰に下げられていた“夢見ヒトガタ”からの贈り物“夢の雫《楽譜》ペンダント”が静かに光り出していた…
よく見るとペンダントに、もうひとつの飾りが付いている…
それは“幸せのドール”。
夢の町の“幸せを配る”お約束の贈り物だった…*
『…また、ぼくに
会いに来て
待ってるからね…』
◆7:ハロウィン当日ト夢ト守りたいもの~最終話~◆AsH DreAM ResteR (悪夢の停留所) ~時が止まったハロウィン前日夜~ 10/31
作者:砂水雫☆*
作成:2016/10/5&
2017/10/31《ハロウィン》
☆◆*
創作世界作者の砂水雫☆*です!!
目指してきたハロウィン当日までなんとか無事に更新し続けることができました

この創作世界は、今までにサークル“幻夜の月”に製作協力して下さった仲間のキャラクターもたくさん登場していまして、本当に心から感謝しています

犬政さん、
黒鬼さん、
yata(元:キリウ)さん、
本当にありがとうございました

別館ブログ“ハロウィン当日”としては、こちらで今回の完結ですが、
本館にて、続編(関連記事)更新を予定しています。
続編↓
https://blogs.yahoo.co.jp/xbqpy340/57894794.html
もし、ご興味がありましたら、よろしくお願いいたします☆
素敵なハロウィン日和をお過ごし下さいませ


