昨日の未明、ちょっとした危機がありました。

 

いつものように持続吸引機用のメラチューブを咥えながら眠っていた時、喉の奥、喉ちんこの辺りに小さな糸くずのような物が留まっている感じがして目が覚めました。弱い咳払いしかできないので、異物は動いてくれません。

 

喉ちんこの辺りが刺激され、私は何度もオェッオェッとえずいてしまいました。えずいたせいで涙が出たと思ったら、みるみるうちに両方の鼻が詰まってしまいました。

 

ピロータイプの鼻マスクを通じてバイパップから空気を吸っている私は、両方の鼻が詰まると空気が全く吸えません。

 

同じ部屋に布団を敷いて眠っている妻の名を必死で呼んだら起きてきてくれて、カフアシストを試みましたが、鼻から息が吸えなくて軽いパニックを起こした私は一生懸命鼻で吸おうとしてしまい全く空気が吸えません。

 

私の顔がだんだん土色になってきたので、妻は私の鼻を咥えて口での吸引をしてくれましたが、全く鼻詰まりは解消しません。

 

妻は次にベッドサイドに備え付けてあったアンビューバッグ取り出し「口で息を吸って !」と叫んで私の口にアンビューのマスクを押し当て、手動で空気を送り込んでくれました。

 

妻の叫び声で私も少し冷静になり、口から呼吸をすることができ、しばらく続けているうちに鼻詰まりも解消しました。

 

その後、しばらくカフアシストで痰を出し続けて平時の状態に戻りました。

 

それにしても喉に異物を感じてから鼻が詰まって息ができなくなるまで、たった数十秒の出来事です。もし妻がアンビューバッグを使うことを思いつかずに 119番で救急隊を呼んでいたら、今頃私は気を失い、挿管され、そのまま気管切開になっていた可能性が高いと思います。まさに紙一重でした。

 

2ヶ月前に始めた LICトレーナーを使ったリハビリを通じて、妻も私もアンビューバッグの使用に慣れていた、というのも今回うまくいった要因のひとつです。

 

でもそれよりも何よりも、寝ていたところを起こされてすぐにもかかわらず、素早く冷静な判断と的確な処置で私の命を救ってくれた妻の勇姿を私は一生忘れません。

 

生きていることの喜び  と  妻への感謝と尊敬の気持ち  を再認識した出来事となりました。