インターネット、スマートフォン、携帯電話、ケーブルTV、地上デジタル放送の普及など、通信、メデ
ィアの世界も昔とずいぶん変わりました。
2015年からはラジオも大きく変わってきています。
「FM補完放送」
AMラジオの放送がFMでも放送されます。
TV放送の地上デジタル化に伴い、それまで使用されていた電波はVHF帯からUHF帯へ。
そして空いたVHF帯の再編成ということで90MHz~95MHzの間をAMラジオ局に割り当て、
AM放送と同時(サイマルキャスト)にFMでも放送されるようになり、2015年から2016年春にかけて
運用が進められています。
鉄筋化が進む住宅やビル街での難聴対策、災害対策として電波の有効活用が行われています。
また、PCをはじめ携帯電話機、電子レンジ、テレビなど電子機器は本体は静かでも、機器から発する
電磁波で、近くにAMラジオ受信機を置いた場合に雑音だらけとなり放送が受信できません。
FMはこうした影響を受けにくいとの特長もあります。
さらにステレオで放送されるので、それまでのFM局と同じように良い音で聴くことができます。
85MHz~90MHzはコミュニティFM局にも割り当てられるそうで、この先FMラジオはにぎ
やかになりそうです。
対応できるラジオ受信機ですが、90MHz以上の周波数を受信することができるラジオ
「ワイドFM対応」機種が必要になります。(市販品は76~108MHZ)
こちらは古いラジカセ SONY ICF-1980 「スタジオ1980」
90MHzまでしかないので受信不可です。

こちらはワイドFM対応 76~108MHz 受信可能なラジオ。
Panasonic RF-877 「クーガ No.7」
もう40年くらい前のラジオです。
ワイドFM対応のラジオは実は昔からありました。
(当時はFMワイドと表示されていました)
90~108MHzはアナログTV時代のNHK 1CHと3CHの音声周波数がこの範囲にあったのです。
海外でのFMラジオ受信と、国内でのNHK-TV音声受信を売りにしたラジオはこの周波数帯を
受信することができました。
大型のラジオでなくともワイドFM受信対応のラジオの種類はたくさんありました。
特に輸出仕様のものはほとんど(FMワイド)となっていました。

さて、放送を聴いてみましょう。
広帯域受信機 アイコム IC-R7000 アンテナはディスコーンです。
周波数にはなじみが薄いのでピンときませんが、91.6MHz文化放送です。
S(シグナル)は9+10dbと強力です。
鉄筋の建物内なので、AMだとノイズだらけで聴きにくいのですが、これならクリアーで聴きやすい。

この3局の電波は東京スカイツリーから送信されています。
イルミネーションや観光でもおなじみのスカイツリーは電波塔です。
この3局のAM送信出力はいずれも100kwと強力なのですが、送信所の場所が異なるので、AMでは同
じように受信できませんでした。
ちょっと違うエリアを聴いてみましょう。
AMではなかなか受信できないIBS茨城放送の水戸局 FM94.6MHzが受信できました。
Sは2なので弱いですが、AMでは時間帯を選んで鉄筋の影響が出ないところでないと受信できません。

昔、AMで受信したときのべリカード
アンテナはループにバリコンを付けた「トライアングルアンテナ」を使用しました。

今年の春までに関西や九州の局もワイドFMに対応していくようです。
ラジオメーカー各社も「ワイドFM」対応のラジオやラジカセを続々と発売、特別に高価なものでも
ないので、非常時のために用意しておくのも良いですね。

さて、こちらは地元横浜ネタとなりますが、横浜のFMといえば「fm yokohama 84.7」は神奈川県を
放送対象地域とするFMラジオ局です。
スタジオは横浜ランドマークタワー10階になりますが、送信所は秦野市の大山送信所84.7MHz
小田原中継送信所80.4MHzです。
そして2015年11月から磯子区氷取沢の中継局87MHzが稼働しました。
2013年までの送信所は磯子区円海山でしたが、県内の放送範囲拡大のため、送信所が秦野の
大山に移転しました。
その関係で受信可能エリアが拡大されましたが、地元での難聴地域が発生し、その対策として
氷取沢中継局から87MHzでの送信が行われるようになりました。
私の職場がある金沢区で試したところ、84.7MHzの受信状態より87MHzの受信の受信状態のほ
うが良いことを確認できました。
自宅で聴くとどちらもS9+10db以上で受信できます。

電波は有線と違ってどのように飛んでいくか、実際行ってみないとわからないことが沢山あります。
いろんな局を聴くには送信所の場所を調べてみると思います。
インターネットラジオで聴くのも簡単ですが、災害時やアクセスが集中した時などもしもの
ことを考えて、一度確かめておくことも良いと思います。

目に見えない世界、電波は空を飛んでいます。
FM放送もにぎやかになってきましたが、既存のFM局にとっては競争激化の心配もあると思います。
アナログ放送終了後のVHF帯 (V-LOW(ナログTV1~3CH,V-HIGH アナログTV4~12CH)の活用
がどのように進んでいくのか今後が楽しみです。