トヨタ「カンバン方式」のひずみ | ゴルフ迷走記

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トヨタグループである「ダイハツ」「豊田自動織機」での不祥事がこのところ相次いで明るみに出た。
その中身についてはさておき、親会社のトヨタが提唱する「カンバン方式」がその根底にあるのでは?と考えている。

「カンバン方式」の詳細については検索サイトで調べれば出てくるので割愛しおいらの目線で話していきます。

"SCM(Supply Chain Manegement)"が叫ばれて30年以上は経つでしょうか?
また、別の言い方アプローチで"求貨(荷)求車"なんて言葉もある。

いわゆる物流のトータルマネージメント、効率化である。

設計者のおいらが社内研修でロジスティックをテーマにしたものを選択した時、当時の部長がおいらに言った言葉を今でも覚えている。

部長:『秀ちゃん、なんでこのテーマの研修に行くの?』

おいら:『原価低減は製品だけにとどまらず、例えば製品の梱包材はお客の所では無用の長物として捨てられる、それなのに相当の原価がかかっている。また物を運ぶ車は帰りは空車、この車を帰りには別な荷物を運んでくれば輸送費の低減につながる、無駄と思われるところを如何に効率よく、又お金をかけたくないロジスティックのシステムを調べて自分たちの製品はもとより工場全体の仕組みを変えていきたい。
また、梱包、輸送を担当している「日立物流」(現ロジスティード社)を変えていきたい。』
なんて大見えを切ったもんだ。(笑)

部長:『秀ちゃん、この工場にはそんなことが分かる奴は誰もいないと思うよ、そう言えば、秀ちゃんの研修履歴はすごいね、技術研修は勿論だけど、創造性工学とか、コスト工学、マーケッティングにと、随分と学んでるね。
まっ自分の肥やしになるのだから行って来いよ。、』でした。


この研修は二日間だったと思いますが、その中に「アサヒスーパードライ」を作った企画担当課長の話もありました。

成功の理由は何個かあるが、おいらの受け止めは次
① キリンが独壇場だったビール業界の末席(シェアが最低の位置)だったから思い切ったことができた。
② その大きな変化は当時ビールのアルコール度数は4.5度でしたが、これを5.5度にしたことでキレを出したこと
この度数を上げるなんてシェアトップで胡坐をかいていたキリンには発想が及ばないし、できない。
何故かというとシェアトップを維持したいから、変化をすることでシェアが落ちることを考えてしまう、これは自然の論理だろう。
③ もう一つ、サクセスストーリーとなれば何でも語れます。
これは「日産のテクニカルセンター」に行った時も同じ、当時「シーマ」「Be-1」で成功していましたからね。

おっと、脱線してしまいました。


「カンバン方式」、聞こえはいいが、悪く言えば大企業の横暴でもある、
自分たちの生産の都合に合わせて下請けにその都度部品を納入させるというのが大筋のやり方、自分たちは在庫を持たないが、生産には部品を滞りなく供給する仕組みだ。

下請けの部品屋さんはそれに合わせなければならない、また部品を切らすわけにはいかないから下請け会社が在庫を抱えているだけだ。
更に物流、指示された日時に届けるには早めに工場へ行って待っている、あるいは近くで待機していて滞りをなくしている訳だ。

大企業は効率よく動いている、だけどそのしわ寄せはどこかに行っていて、そのコストは当然負担しない仕組みなのだ。

「カンバン方式」で現場出身者が役員になったりもした、また各企業でその講演をしたりしているが大企業の横暴以外何物でもない。
大企業にいてそういったことも含めてマネージメントしていたからこそよくわかる。
(おいらは現場に10年、設計に20数年いましたが、設計者なのに図面をほとんど書いたことがない、特に30代後半からは)


今回は検査の手抜きが指摘されているが、これも親会社からの納期を含めた圧力に応えるためのごまかしが徐々にまん延していったのでしょう。
検査の手抜きも問題だがトータルマネージメント、そろそろ30年以上前の「カンバン方式」をいつまでも大上段に掲げるのではなく真の"SCM"を今のデバイス、ツール、あるいはトレンドを使ってリニューアルする時期ではないでしょうか?

かなりまじめなお話でした。


この原稿を書いた後、Yahoo!ニュースに会った記事

https://news.yahoo.co.jp/pickup/6490056

これも一つの流れ、仕組みかな?