図書館本の記録です。



「むこう岸」安田夏菜

難関私立中学で落ちこぼれてしまい、

公立中学に転校した男の子。

生活保護家庭のヤングケアラーである女の子。

環境や価値観が全く違い、

対岸にいるような2人が交流を持ち、

居場所を見つけて希望を見出していく…

子どもたちが柔軟な考えで視野を広げ、

前向きに生きていく姿がとてもよかったです。

児童書なだけあって読みやすく、

生活保護のことなどが分かりやすく書かれていました。

困っている人が、引け目を感じず適切に

助けを求めることができる社会になってほしい…

そのためには、きちんと制度を知ることが大切ですね。



「あしたの幸福」いとうみく

父親を亡くした中学生の主人公が、

幼い頃に出て行った発達障害の母親&

父親と再婚予定だった女性と3人で暮らすことに…

ヤングケアラーの友達がいたり、

「むこう岸」と同じく考えさせられる話でした。

児童書だけど、この関係を読み解くのは

児童には難しいんじゃないかな〜と思いました。



「監禁」秋吉理香子

主人公の看護師が最後の夜勤中に、

留守番している夫と連絡がつかなくなり…という話。

表紙からして怖い!

病院シーンとの監禁シーンとのギャップが、

さらに怖さを引き立たせる…

最後のどんでん返しにはビックリでしたが、

あまり好みの話ではありませんでした…

 


「猫はわかっている」

猫がテーマのアンソロジー。

ミステリー要素がある、長岡弘樹さんの「双胎の爪」

猫の魅力が感じられる望月麻衣さんの「幸せなシモベ」
が印象的でした。