内容は重いテーマが軸にあるのに、冒頭から展開が意外すぎて面白かった。まず、生まれ故郷の島からDVされた父親から逃げきれず、船から海に飛び込み無人島に流れつき15年も経ってしまう。歌手になりたかった主人公と憧れだったスターや父親から逃してくれた同級生の恩人に偶然、いや必然的に会ってしまうとか、そのあたりはドラマらしいんだけど、このドラマで特に印象的だったのは、モクハが無人島で暮らして学んだことを誰かに伝えるときの言葉の数々。
モクハが死のうとしたとき、流れ着いたクーラーボックスの中に入ってたラーメンを食べた時にあと5分だけ生きてみようと希望を持ったこと。
それから無人島では答えの出ない自問自答を繰り返していて、木漏れ日が美しくて眺めた5分、友達になったかもめとの戯れ50分、台風のあと流れ着いたゴミで何を作ろうかワクワクした5時間、そういうものが自問自答することを忘れさせてくれたこと。そうして過ごしているうちにドローンにであって助けられることになったこと。
これは合言葉のように出てくるギホのお母さんの言葉(強く願い続ければ、意外な方法で叶う)に,繋がる。
また、助けられた後も自問自答は続いたが、たとえば生活費で悩む時間があるならバイトした方がいいとか、心配する暇があるなら歌の練習した方がいいとか言ってて、当たり前なんだけど刺さった。
意味のない自問自答を他の何かで埋めるというのは、要するに今を生きるということなのだろうと感じた。
このドラマは父親からDVを受けた2人の物語だから、最後に家族団欒のシーンで幸せそうに過ごしているところで終わったのもすごくよかった。