馬主を研究する
さあ、やるべきことははっきりした。
馬主を研究しよう。
馬主のことが分かれば、何かが見えてくるかも知れない。
当時はインターネットなんて便利なものはありませんでしたから、
私はひたすら本屋へ通って、競馬関連の本を立ち読みしました。
すると、馬券必勝読本には「競馬関係者を熟知すればレースが読める」的な解説をする
本が結構たくさんあり、馬産地(牧場関係者も馬主になっている)と調教師と馬主の
ネットワークや、縁戚相関図、果ては仔馬の庭先取引の裏側的なものまで多岐に渡っていた。
その中のひとつに、仔馬の売買に関する癒着的な取引や市場の形骸化など、
賞金体系がハイレベルである日本が、こと売買に関しては世界での後進国であることが紹介されていました。
やっぱりそうなのだ。
儲けている馬主は、更に儲かるように、走る馬が優先的に、そして一部の馬主サークル内で持ち回り的に取引されているのだ。
事実はどうであれ、当時の私はそう解釈したのです。
つまり、有名な馬主になれば、思うがままの馬が持て、絶対に儲かるのだ! と。
ここまできて、私は絶望的な気持ちになりました。
そう、そんなん絶対ムリやん!
という事に気がついたのです。(遅いっ!)
そんな時、再び、あるスポーツ新聞の記事に目が留まったのでした。
マイルチャンピオンシップを週末に控えた、ある秋の日の喫茶店の一隅で。