苦悩の時代 | 一口馬主のひとりごと

苦悩の時代

私が大学受験に失敗したのも束の間、
競馬の世界ではまたもや三冠を期待させる馬が皐月賞を勝ち、
バブル経済の兆しとともに、大いに盛り上がりを見せ始めてきました。


骨折という不運に見舞われ、三冠馬の誕生はなりませんでしたが、
ルドルフが七冠を達成したり、レース体系(特に距離別)の整備が進み、
ニホンピロウイナーという名マイラーがその地位を確立するなど、
何かと話題も豊富で、スポーツ新聞の一面が競馬で飾られる日も多く、
人気が徐々に広く一般的になりつつありました。


私はと言いますと、受験勉強もそこそこに、
毎週週末になると淀へ出かけては、負けることの繰り返しでありました。

まあ、時には勝つこともありましたが、それがまた泥沼への呼び水というところでもあり…。


余談ですが、このころの競馬場には、
スタンドに売り子さん(と言ってもおばちゃんですが)が、
「ビ~ルに焼きそば、あたりめどうでーす!」と徘徊されていまして、
スタンドに陣取っている私たち(私と友人)のそばに来ると、
「子供がこんなトコで遊んでたらあかんよー!」と注意してくれました。


体が小さく、おぼこい顔つきだった私は、
お世辞にも大人とは見えず(事実そうなのですが)、
よく補導もされずにいたもんだなぁと、今さらながら想い帰されます。


さて、浪人を1年で卒業し、運良く地元の私立大学へ潜り込んだ私を待っていたのは、
競馬好きの新たな仲間たちでありました。
馬券の腕前は一向に上がらず、アルバイト代はたちまちハズレ馬券へと
姿を変え続けていました。


「う~ん、一体どうしたら競馬に勝てるんだろう??」
サクラチヨノオーのダービー優勝を眺めながら、
ただ漠然とそんなことを考える、大学生3年目の私がいました。