ルンルンなのはわかるが

車で帰る途中に今度お世話になる

婦人科によって予約を取るところから

始めるんですが・・。


「予約制だよね・・。」

「紹介状を持っていくことになってるから、

そこから問診して次の予約を取る感じかな。」

「・・・」

「次に行ったときにスケジュールを決めるんだと思う。」


その病院でもスケジュール。

まあ、期間が限られているから

先生たちも娘にとって

ベストな選択をしてくれるんだろうな。


高速を使って最寄りのサービスエリアから

ETCで乗り降りできるこのご時世。

おっ、ここからか・・・

おっ、近いじゃん・・・

それに看板が見えてるし・・。


この県では一番古くからその取り組みをしている病院で

それだけではなく、不妊治療や出産も

やってくれているようだ。

建物も綺麗だし、女性の先生も多い。


「こじんまりしてるかと思えば大きいね・・。」

「ほんとだね・・。」


着いて3人で病院に入れば少ない患者数。

その日は昼からの診療は休みで

紹介状を持ってくることを伝えてあったので

取りあえずそれを渡して、来る日の予約を取ったんです。

1日空けてからの来院。


「よし、これでOK.。さあ、帰ろうかな。」

「うん、早く家に帰ろう。」


そこから家までは1時間ちょい。

高速使ってだけど・・・。

他愛のない話をしながら

心地いい耳触りの娘の声を身近に感じて。


自宅に帰れば賑やかな声に迎えられて

娘も嬉しそうだ。

まだ、単身赴任の息子のお嫁さんが

その時は一緒に暮らしていたので、

その子供たちが

言葉もわからないまま迎えてくれたんです。

(けど、接触はなるだけ控えてもらいましたけどね。

保育園に行っていたため申し訳なかったんですけどね)


食事は部屋のみ

保育園児がいる時はリビング禁止

今は、iPadがあるから映画やゲームなどは

それでできるしね。


致せりつくせりの1日を過ごして、

中一日空けてから病院。


まずは問診を書いて呼ばれるまで待つ。

ひたすら待つ・・。

呼ばれたときは別部屋で

医療コーディネーターーらしき人と面談。

ベテランの看護師さんなんですが

やはり、人を傷つけない言葉を選んで

話をしてくださることは年配の私でも

ありがたいなと思うほどでした。


診察の担当は女医さんで結構若く見えた。

テキパキと説明をしてくれる。

まずはエコーで子宮の状態を見たり

卵子があるかを確認したりの作業の様でした。

私たちはここにいても何の役にもならなかったので

近くに大きなショッピングモールで

買い物をすることを伝えて

外で待つことにしたんです。


1時間くらいした頃に連絡が来て

病院に来てほしいとのこと。

行けば、診察室で説明を

受けることになったみたいだ。


「ホルモン注射をして卵を成長させたいんですが、

それには毎日通って注射を打たなければならないんです。」

「毎日?」


初めての経験だし、初耳な言葉が

わんさか出てくる・・。

なんでも、あるにはあることは確認されたけど

小さすぎて取れないらしい。

採った卵子も選ぶわけではないが

採取した時の状況とかにも寄るらしい・・。


ふと我にかえる・・。


「毎日、ですか・・。」


「はい。でも、知り合いに看護師さんがいれば

自宅で注射を打てるので、

ここには2・3日おきで通院となりますが。」


おっ、それなら・・


「ああ、それなら、近くに姪っ子がいて

看護師なのでその子に頼みます。」

「それなら、携帯で取り扱いの説明と

手順を録画してその方に見せて

注射をして頂けますか?」

「はい。」

「では隣の処置室で1回目の注射をして

24時間たったらまた2回目の注射をしてください。」

「・・・はい。」


2・3日に一度通って、注射を貰うのと診察。

勿論、飲み薬も貰い飲む。


医薬品でそれも注射なので

看護師だという証明を姪っ子が

その病院に提示したりと

殺伐としたところに時間が費やされた。


でも、一番はお金がかかるという事でした。

保険がきかないので毎回、2・3万はかかりましたね。


皮下注なのでかなり痛いらしいんですが

それでも我慢して取り組んでいた娘。


注射を打ちに来てくれる姪っ子に

私には言えない愚痴をこぼす時間が

出来たのは幸いだったんじゃないかなと

思いました。


*小さいころから姉妹のように面倒を

見てくれていた姪っ子(2つ上なんです)

どんくさい娘は生まれたときから

いつも守られていたように感じます。