「ありがとうございました。」

「頑張ってくださいね。」


その会話を横で聞き、

お世話になった皆様にお礼を伝え、

病院を後にした。

PET-CTを受ける病院まで車で30分ほど、

大きな病院であるのかと思いきや、

その場所は普通のビルに見えた。

近くには系列の病院が立派に2棟建っているのに、

PET-CTの検査をするのはここってくらい

そこまで立派に見えないビル。

申し訳ないけどね・・・・


「ここだよね・・。」

「だよね・・。」

「そうみたいだね・・。」


感想が一緒だけど見上げれば

本当にここ?って感じだ。


「見てくるから・・。」


主人が車から降りて見に行ってくれて、

その場所だと合図をくれて狭い駐車場に車を入れた。


昔ながらのガラスの重いドアを押して開け、

今時の自動ドアではないのも古いんだとわかる。

案内に従って2階までエレベーターで行けば、

そこは外とは違う内装にこれまたビックリ。

綺麗で、椅子も豪華。

これは長い時間、座っても痛くないはずだ、うん!!


予約した名前を伝えれば

すぐに対応してくれた受付の方。

その間、予約制ということもあり人もまばらで

付き添いの人も座れるスペースがありがたかった。


流れを一緒に聞けば

まず、撮影用に病院の衣装に着替え、

それから、200CCのブドウ糖の様な飲み物を

ゆっくりと飲んで呼ばれるまで待つ。

その後、迎えに来てくれる看護師さんと一緒に

地下の撮影場所に行くらしい。


おお~~??

地下?


何でもそこには2台、撮影する装置があるらしく、

時間も1時間ほどかかるらしいのです。


着替え、飲み物、撮影、画像の処理で

トータル3時間弱、

病院にいなくてはならないみたいでした。


画像処理をしたものを病院にもって

入院しなくてはならないから

待たないといけないですよね・・。

 

 

ふと、赤十字のコーディネーターの方が

 

言ってたことを思い出した。

 

 

”待ち時間が長いと思いますので

 

近くにあるレストランで食事でもしてれば

 

あっという間ですよ。”  って・・


「ああ・・・だから、ロイヤル○○○が

近くにあるから待てばって言ったんだ・・。」


赤十字病院からそこの病院に行くまでの道中にある

目印がこれだと言っていた看護師さん。

今時、ナビに頼りっぱなしの世の中で、

それでも親切に教えていただいたことが

 

嬉しかったです。

ここの料理は結構おいしいので

 

ぜひ食べてみてくださいって

言ってくれたなってまた、思い出し

笑いしてしまいました。


本当に温かな方々でありがたかったです。


「じゃ、ここで待っていても

後から来る方に邪魔だから

終わるころにまた迎えに来るね。」

「・・うん・・。」

「下に行ったら1時間くらいかかるみたいだし、

お父さんとブラブラしてくるわ。」

「うん、だね・・時間もお昼前だし、食事でもしてきて。」

「わかった・・。」


そんな会話をして外に出れば

重々しい空気から解放された気分だった。


歩けば数分で着いたレストラン。

病気の宣告から娘に会う日まで

そこまで食事という食事も

お腹がすけば食べるという感じ。


毎日、パソコンで調べる病気の事。

知れば知るほど大丈夫なのかと心配が募るばかりで

落ち込み度が増してしまった。

まだ、はっきりとした診断もされていないのにね・・。


食べる気はしないけど・・・

注文した品を口にすれば


「あら・・おいしい・・。」

「だね・・久しぶりに食べたね・・。」


お~~?

それって、マシな食事をしたって事か?

まあ、それでもしばしの食事の時間を過ごし、

外に出ればまだ時間があるので、

近くに有名な神社があることを知っていた主人。


私も小学校の修学旅行で来たくらいで

そこに建っている事すら知りませんでした。


「すぐそこだから、御守りを買って行こう・・。」

「うん・・。」


一緒に歩道を歩くのも久しぶりだ。


そこに着けば普段の日だからだろうと思うけど

人もまばらで静かだったんです。


お参りを終えて、帰りにお守りを買って

病院へと入っていけば

丁度、着替えが終わっていたんです。


「あとは画像待ちだけ・・。」

「お疲れ様・・。」


ゆっくりとしたソファは1人掛けもあり

そこへと座ることができた。

横にはなれなかったけど

目を瞑ってリラックスできるみたいだった。


あと少しの時間で画像が出来る。

それをもって

いざ、新しい場所へと行かねばなと

娘を見つめていた私たち。


「○○さん・・こちらの部屋においで下さい。」


それから1時間もかからないくらいで呼ばれた。

意外と早かった?

もしかして、これから入院ということを知っていたから

早めにしてくれたのかな・・・。


そりゃ、入院は知ってるわよね・・

病院からの依頼だもんね・・・。

最近?

 

いやいや、昔からだが

 

少しひねくれものの私だ・・。


3人で立ち上がり、

呼ばれた部屋へと入って行ったんです。