その国立医療センターの結果がきて
勤務医の女医先生も
”それはない、あり得ない!!”
と思ったらしく、
一生懸命に病名探しをしてくださり
もしかしたら膠原病かもしれないと言われたようです。
万が一、膠原病だったら
それはそれで、それなりの治療ができると・・・。
すぐに、その専門のクリニックへと連絡してくださり
数日後、隣の県だったのですが
半日かけて検査をして頂きました。
そこの先生も女医さんで
話しやすかったようでした。
勿論、娘のデータはこのご時世のハイテクで
送られていたので本人からの聞き取りや
目視した結果を紹介した先生へと送るという経緯。
ですが、
「膠原病でしたら治療は勿論ここでできます。
でも、もっと詳しく調べてみて、
結果、膠原病という病名が確定したら
また来てください。」
とのことでした。
「何だろうね・・あれだけ検査したのにね・・。」
「どこを検査すればわかるんだろうね・・。」
半日もかかったのに、期待した答えはなく、
落ち込む一方の娘にたわいもない話をするのですが
耳は塞がったように窓の外を見ているばかり。
そうこうしてれば、入院している病院に着いて
寂しそうな娘の背中が丸くなって
ドアの向こうへと消えて行ったんです。
入院している間も女医先生には
奮闘していただいたみたいで、
一生懸命、色々と調べて下さっている一方で
ここじゃ悪くなるばかりだと判断したようでした。
後から聞いた話ですがね。
自分が昔、働いていた赤十字病院へと
連絡してくれて入院できるように
手配してくれていたんです。
そのころはCRPも数値も8を超えて
起き上がるのもきつい状況。
1週間だったはずの入院は
ひと月ほどになっていました。
1月23日、そこを退院して
改めて24日に赤十字病院へと
入院という手筈になったのです。
「そこの病院でわからないはずはないから
安心してね。先生方がチームで見つけてくれるからね。」
「ありがとうございます・・。」
娘も感謝して嬉しそうに連絡をしてくれたんですが
夕方になって泣きながら電話してきたんです。
どうしたのだろうと不安いっぱいで聞けば、
辛い現実が待っていたようでした。
なんでも、院長夫人が病室に来て
解雇通告をされたみたいです。
本人も病気で迷惑をかけてしまっている
負い目もあったので
わかりましたとしか言えなかったようです。
苦しかったんだろうなと・・・
病気が恨めしかっただろうなと・・・
でも違ったんです。
解雇については仕方がないと
あきらめるしかない・・
自分で消化していくしかない・・と・・。
沈む気持ちに顔を上げることが
できなかったみたいです。
そんな娘に追い打ちをかけた言葉に
胸をえぐるような言葉が投げられたんです。
ドアを開けて出ていくときに
「こんな、何の病気かわからない人を
雇うんじゃなかった。」
耳を疑いました・・。
まさかと・・・
医療従事者で、
ましてや薬剤師の院長夫人。
平気で人を傷つけられる言葉を言うことに
驚きでビックリしました・・。
たくさんの人を見てきた人生。
本当にいろんな人がいる中で
ここまで非情な人がいるんだって・・・。
少なくとも思っていても医療従事者なんだから
かける言葉位、知ってるだろう!!
と・・・。
沸々と込み上げる怒りを
どこにぶつけていいのかわかりませんでした。
「お母さん・・明日早く迎えに来て。
ここにいたくない!!」
「もちろん。お父さんと迎えに行くからね!!」
翌朝、病院が開く時間には
迎えに行った私たち・・・
底冷えが体中を凍らせるようなそんな日でした。
*後々の話なのですが、労働基準局の規定で
1か月前の解雇通告の決まりがあるそうで、
そのことも関係していたようです。
弁護士さんのお話だとそこの病院の規定がある書面に
署名していれば病気の理由とかですぐに解雇できるが
無ければひと月前の通告が決まっているので
お金を支払わなければならないみたいです。
慰謝料のようなもの?
私もよく理解していなかったのですが・・・。
小さい病院にそんな規約などあるわけもないから
当然、慰謝料を払わなければならない事情。
ほしいとも思わなかったのに・・・。
申し訳ないなと思っても、
そんなことはこれっぽっちも思っていなかった娘。
そんなことのために暴言を吐く、
人格を否定するような人が
仮面をつけて病人に接するのは
きっと患者さんがお金に見えるのでしょうか・・・。
そんな方が医療に従事していることの方が