「じゃ、行ってくるね。」

「ん・・、帰って来てからお正月しようね。」


コロナ禍のため、無駄に病院の中に入れず、

荷物を運ぶお父さんと娘の後ろ姿を

駐車場から見送りました。

奇しくもクリスマスの日。

イベント?が続く年の瀬



どうしてうちだけ・・・



そんな気持ちにもなりました・・・

が、それどころでもなかったのです。

 

自分の体調や、ましてや、

うちの愚息のお嫁さんを預かっていて

お正月明けには出産予定。

 

お嫁ちゃんはとてもいい子なんです



まぁ、お隣に住んでいるんですから、

不安で見てくれというのもわかる・・・。



お腹の中で動く胎児は

 

横向きが治らず、帝王切開かもという状況・・・。

 

ちなみに息子は単身赴任でお正月は

帰って来ていたのですが予定日は1月の半ばだったんです。

 

なので、自宅の方に来てもらって

 

家の方で一緒に暮らすことにしたんです。

 

一時的にですがね・・・。


年子の二人の娘がいたのでドタバタの毎日。

その間も娘とはビデオ通話で状況を知るという日々。


電話料金が上がるかと心配してましたが

家族間の通話は無料ということがわかり

かけ放題にホッとしました(笑)



そんなこんなをしてればあっという間に次の年。

 

ですが、年を越してもなかなか熱は下がらない、

抗生物質の点滴は一時的によくなるのですが

その効能は時間が過ぎれば元に戻ってしまう・・



繰り返し・・・リピート?



おまけにCRPの炎症反応はどんどん上がる一方で

危ないと思われたのかわかりませんが

勤務医の女医先生が自県の国立医療センターに

連絡してくださり検査をすることになったんです。



転院すると思いきや、そこは病院同士の事情なのか

検査だけそこでするんかい!!と思った私。


1週間の入院予定がかなりすぎて

1月の半ばの事でした。


熱で体力が奪われ、自分の足で歩くことが難しくて

そこまで私が運転して連れて行くことになり

病院では車いすでの移動でした。

新しい建物になった医療センターには

たくさんの検査機器もあるんだから

これでわかる!!と少し期待していたんです。


血液検査をはじめ、今回は造影検査、細胞診まで

ありとあらゆる検査をしたんです。


「後日、病院の方に連絡します。」

「よろしくお願いします。」


そこを後にして自分が入院している所へと

帰って行きました。

その40分くらいの帰り道、

少しだけホッとしたのか笑顔を見せてくれた娘。(笑)

でも、瞼は腫れたままで痛々しかったですがね。


3・4日してから検査結果が届いたと

連絡が来ました。

その声は沈んでいて不安が胸を覆いました。


「で、どうだったの?」

「ん・・」

「病気が見つかったの?」

「実はね、異常なしだって・・。」

「???えっ?」

 

 

おいおい、まさか?

 

だって、あの顔だよ?

 

 

「ほんと?」

「だから、異常が見つからなかったって・・。」

「そんなことあるわけないじゃん!!」

 

 

少し大きな声を出してしまった私。

 

電話なんだけどそれでも嘘だって思うじゃん!!



「でも、数値や映像は異常がないって

言ってるんだもん!!」

「・・・・・・・・そっか・・。ごめんごめん」


娘が一番つらいのに私が興奮して

声を荒げてしまって可哀想な事をしてしまいました。


異常がない?

んなわけないだろう!!

どう見ても誰が見てもわかるだろう!!

外見が変わってきてるんだから!!


戸惑いが不安をあおり

 

苦しさでいっぱいな胸の鼓動・・・



誰が見つけてくれるんだろうか・・

 



どうすることもできずに

携帯を握りしめていた私だったんです。