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【呼称について】
今月12日に各メディアから伝えられた訃報以来、どうにも居心地の悪さを感じて仕方の無い表現がある。
それは「世界の三大ギタリスト」という呼称の事だ。
もう一度改めてしっかり書いておくが、エリック・クラプトン、ジェフ・ベック、ジミー・ペイジの3人を指して「世界の三大ギタリスト」とするのは適切であるとは言えない。
何故なら彼らはあくまでもロックギタリストであり、よく知られた所では「ブルーズの三大ギタリスト」という括りもあるし、他にも頭の部分に「ジャズの」とか或いは「クラシックの」と付けば、そこにはまったく違う名前がリストアップされるのは当然の事だ。
それを「世界の」としてしまってはいけないのではないか。
本来はあの3人を指して語ろうとするのなら、やはり頭には最低限「ロックの」くらいは付けるべきだろうが、しかしそれだとまた「イヤイヤ、それだったらあの人じゃなくあの人がそこへ入らないのはおかしい」とかいろいろ異論・反論が出て来かねない。
だからつまらない論争を回避したい、または余計な誤解を招かないより正確な表現を期するのなら、やはりそこは無難に「ヤードバーズ出身の三人のギタリスト」とする方が良いのではないかと考える。

ところでエリック・クラプトンは、ヤードバーズの初代ギタリスト(=オリジナルメンバー)ではない事を昨日初めて知った。
そうなるとごく厳密に言ってしまえばヤードバーズに在籍したギタリストは、本当は都合4人いた事になる。
以上、トリビアでした。

【摂生・不摂生と寿命について】
上記の3人で、特にエリック・クラプトンなんかはジミ・ヘンドリクス亡き後、ドラッグやアルコールに溺れる相当無茶苦茶な生活を送った人として有名だし、ジミー・ペイジについてはさほど詳細な情報こそ持ってはいないのだけれども、それでもレッド・ツェッペリン解散後はブクブク太ったりして、いかにも「あ、不摂生な生活を送っているのだな」というのが分かるような体型になったりもした。
しかしそこへ行くとジェフ・ベックは喫煙シーンこそ目撃した事はあったもののヘビースモーカーだったという話は聞かなかったし、ベジタリアンだったし体型や動きも最期までシャープさを維持し続けて、中には「年齢を取るのを忘れたんじゃないか」とまで評する人がいたりしたが、結果的にその3人の中で最初に身罷ってしまったのは他ならぬジェフ・ベックだった。

そういえばちょっと極端な例かも知れないが、各ジャンルのスポーツ界でもトップクラスの活躍をした人で、最期まで健康的に長生きをした人というのもあまり見かけないような気がする。
それらを踏まえた上で、では人間にとって不摂生をしない、極めて健康的な生活を送る事によって得られるメリットとは一体何なのだろう?
そんな事をふと考えさせられた。

 

ジェフ・ベックのアルバイト : その一例。曲はABBAのカヴァー。