天皇陛下のお誕生日に際してのご近影
<宮内記者会代表質問>
- 問1 陛下はこの1年、即位後初の外国訪問としてイギリスを訪れ、エリザベス女王の国葬に参列したほか、およそ3年ぶりに地方訪問を再開されました。本土復帰50年を迎えた沖縄では、遺族や若い世代の人たちと交流される機会もありました。訪問先で印象に残ったことをエピソードとともにお聞かせください。ウィズコロナが進む中、今年の活動のあり方についても考えをお聞かせください。
新型コロナウイルス感染症の状況は、まだ収まっているとは言えないと思いますが、そのような中にあって、昨年の秋に感染状況を見ながら栃木県を日帰りで訪問したのを皮切りに、地方への訪問をほぼ3年ぶりに再開することができました。コロナ
昨年は、沖縄の本土復帰から50周年という年に当たり、5月の沖縄復帰50周年記念式典にオンラインで出席するとともに、東京国立博物館や国立公文書館での特別展を訪れるなど、雅子と共に改めて沖縄の歴史や文化についての理解を深める機会を持つことができました。そして、10月には、国民文化祭及び全国障害者芸術・文化祭に際して、雅子と一緒に沖縄県を実際に訪れることができたことを
昨年は、沖縄の本土復帰から50周年という年に当たり、5月の沖縄復帰50周年記念式典にオンラインで出席するとともに、東京国立博物館や国立公文書館での特別展を訪れるなど、雅子と共に改めて沖縄の歴史や文化についての理解を深める機会を持つことができました。そして、10月には、国民文化祭及び全国障害者芸術・文化祭に際して、雅子と一緒に沖縄県を実際に訪れることができたことを
昨年9月には、英国で70年の長きにわたって在位されていた女王エリザベス2世陛下が崩御され、御葬儀に参列するため、雅子と共に英国を訪問しました。御葬儀では、厳粛な儀式が執り行われる中、英国王室の方々や各国元首を始めとする参列者の方々と御一緒に、女王陛下が長年の間に残された数多くの功績と貢献に思いを
この1年も、新型コロナウイルス感染症が引き続き社会に大きな影響を与えました。亡くなられた方々とその御遺族に心からお悔やみをお伝えするとともに、闘病中の方や後遺症に苦しまれている方々にお見舞いをお伝えします。その中にあって、患者さんの命を救うための尽力を続けている医療従事者、救急隊や保健所などの関係機関の皆さん、人々の日々の暮らしを支えていただいているエッセンシャルワーカーなどの皆さんに、改めて心からの感謝の気持ちを伝えたいと思います。コロナ禍においては、多くの人々、特に社会的に弱い立場にある人々が、様々な困難を抱えながら生活をしていることに胸が痛みます。社会的な孤独・孤立の問題についても心配しています。今後とも、生活に困窮している人々やその子どもたちなど、社会的に弱い立場にある人々に、心を寄せ続けていきたいと思います。新型コロナウイルス感染症の感染状況は、現在少しずつ落ち着きを見せつつあるようにも見受けられますが、今後の活動に当たっては、その時々の感染状況に十分注意を払いながら、必要な感染対策を取りつつ、オンラインも活用しながら、様々な形で広く国民の皆さんと接することができればと思っています。
結婚してから、30年近くが
また、愛子は、大学生として学業を優先していますが、そのような中で、皇居での新年の行事であったり、都内の訪問であったり、少しずつ皇室の一員としての活動を行うようになりました。また、昨年3月に、成年を迎えての初めての記者会見に臨みましたが、私たちも、会見に向けて一生懸命準備をする様子を目にしていましたので、無事に会見を終えることができ、安
皇室の活動についての情報発信を考えるに当たっては、その前提として、皇室の在り方や活動の基本に立ち返って考える必要があると思います。皇室の在り方や活動の基本は、これまでもお伝えしているとおり、国民の幸せを常に願い、国民と苦楽を共にすることであると思います。そして、時代の移り変わりや社会の変化も踏まえながら、状況に応じた務めを果たしていくことが大切であると思います。皇室を構成する一人一人が、このような役割と真摯に向き合い、国民の幸せを願いながら一つ一つの務めを果たし、国民と心の交流を重ねていく中で、国民と皇室との信頼関係が築かれていくものと考えております。国民との交流を重ね、国民と皇室の信頼関係を築く上では、皇室に関する情報を、適切なタイミングで国民の皆さんに分かりやすくお知らせしていくことも大事なことであると考えます。
検査については、発表のとおり、前立腺の肥大は認められましたが、そのほかの異常は認められませんでした。皆さんには、御心配を頂いたことを有り難く思っております。今回の検査は、血液検査の数値に気掛かりな点があったことを受けてのことでしたが、改めて検査の大切さを感じました。検査に当たっていただいた医師や看護師を始めとした関係者の御尽力に感謝いたします。おかげさまで、私は日々変わりなく過ごしていますが、務めを果たす上で健康を維持することは大切なことだと思いますので、できる限り健康な生活を心掛けるよう努めています。体を動かすことも良いことと思いますので、定期的に皇居内をジョギングしたり、雅子と散歩をしたりしています。ジョギングは、時折愛子とすることもあります。皇居に移ってからも、雅子と愛子と三人でテニスをしたこともあります。
上皇上皇后両陛下には、日頃より、私たちや愛子を温かくお見守りいただいていますことに感謝しております。上皇上皇后両陛下は、昨年、赤坂の仙洞御所に御移居になり、また、上皇陛下には一昨年、上皇后陛下には昨年、米寿になられたことをお
コロナ禍や最近の物価高などにより、多くの人々が様々な困難を抱えながら生活しており、支援を必要としているお年寄りや障害のある人、生活に困窮している人やその子どもたちなど、社会的に弱い立場にある人々が様々な苦労をしていることに心が痛みます。同時に、このような社会的に弱い立場にある人々を支え、その命と暮らしを守るために力を尽くしている人々が多くいることは心強く、有り難いことと思っています。大変なことも多い中ではありますが、人々が、これからもお互いを思いやりながら支え合い、困難な状況を乗り越えていくことができるよう願っています。
この1年も、地震や台風、大雪などの自然災害が国内各地で発生しました。災害により、亡くなられたり、被害に遭われたりした方や大雪の除雪作業中に亡くなられたりした方もおられることは痛ましいことです。亡くなられた方々に心から哀悼の意を表しますとともに、御遺族と被災された方々に心からお見舞いをお伝えいたします。
自然災害に関して言えば、今年は、関東大震災発生から100年を迎えます。日本では、古くは日本書紀に地震の記録があり、平安時代には三陸沖を震源とする貞観地震が発生した記録が残っているように、以前から大きな地震が繰り返し起こっています。平成23年に発生した東日本大震災は私たち一人一人の記憶に新しいところです。この東日本大震災では2万人を超える数多くの方が亡くなったり、行方不明になったりしました。今なお、多くの人々が困難を抱えた状態にあるなど、本当の意味での復興はまだ道半ばにあり、復興が更に進むことを心から願っております。地震を始めとする自然災害は、いつ起こるかは分からないものの、これまでも繰り返し起こってきたことを忘れずに、これまでの災害から得た知識や教訓を将来に
地球規模でも、地震や水害などの大きな自然災害が起きています。今月発生したトルコ南東部を震源とする地震では、報道によれば、4万7,000人を超える大変多くの人が亡くなっています。また多数の建物が倒壊し、道路も各所で寸断されるなど、広範囲にわたって甚大な被害が発生し、住む家を失った多くの人々が凍えるような寒さの中で厳しい避難生活を余儀なくされており、被災地の悲惨な状況に深く心を痛めています。ここに改めて、この度の地震により犠牲になられた方々の御冥福をお祈りするとともに、被害に遭われた方々にお見舞いをお伝えします。東日本大震災の際には、トルコを含め、世界中の国や地域から、多くの支援が届けられました。今回も、日本から国際緊急援助隊・医療チームが派遣されるなど、世界中から多くの支援が届けられていると聞いています。世界中の人々の協力により、被災された方々の救済が一刻も早く進むとともに、被災地の人々の心が復旧・復興に向けた希望へとつながっていくことを願ってやみません。また、昨年、パキスタンでは、大規模な洪水災害により国土の約3分の1が水に
先ほどお話ししたとおり、昨年、本土復帰から50年の年に訪れた沖縄県では、先の大戦での沖縄戦で亡くなられた方々の御冥福をお祈りするとともに、苦難の道を歩んできた沖縄の人々の歴史に思いを致しました。そして、再び戦争の惨禍が起こることのないよう、平和の大切さを改めて心に刻みました。しかしながら、世界に目を向けると、現在も各地で戦争や紛争などが発生し、多くの人々が亡くなり、傷つき、あるいは住む家を失い、恐怖や悲しみの中にいます。また、世界中で飢餓や貧困、抑圧や偏見などに苦しみ、人としての尊厳や生命が脅かされている人々もいます。世界が直面するこうした困難な現実に、深い悲しみを覚えます。全ての人々が悲しみや苦しみから解放され、平和に暮らすことができる世界を作っていくためには、国際社会において、いずれの国も自国のことのみを考えるのではなく、ほかの国々とも互いの違いを乗り越えるべく対話を重ね、協力しながら問題を解決していくことの大切さを強く感じます。また、私たち一人一人が平和な世界を実現するために何ができるのか、改めて問われているのではないかと感じます。1990年代に国連難民高等弁務官を務められた緒方貞子氏は、日本社会が前進するためにとして、「世界の多様な文化や価値観、政治や社会に目を開いて、そこから何かを学びとること、それとともに、国内でも多様性を
この1年もスポーツの世界では明るい話題がいろいろあったと思います。昨年2月に北京で開催された冬季オリンピック・パラリンピック大会では多くの日本人選手が活躍しました。そして、11月のサッカーワールドカップ・カタール大会では、森保一監督率いる日本代表が、強豪国を相手にチーム全員が一つになって勝利し、決勝トーナメントに進み、過去最高に並ぶ9位となるなど、輝かしい活躍をしたことは記憶に新しいところです。また、今回の大会でも、観客席の清掃を行う日本サポーターの姿に称賛の声が寄せられ、大会組織委員会から表彰されたことも、印象に残る出来事でした。車いすテニスでは、先頃引退を表明した国枝慎吾選手のこれまでの活躍に目を見張るものがあったことも印象に残っています。将棋の世界では、藤井聡太さんが、昨年、五つ目のタイトル「王将」を獲得し、史上最年少の10代での「五冠」を達成しました。これらのことは、コロナ禍などにより、多くの人々が様々な困難を抱えながら生活している中で、たくさんの人々に大きな感動や、明るい希望を与えてくれるものと思います。こうした若い人々が日々の努力を積み重ねながら、新たな世界を切り
<関連質問>
- 問1 この度はお誕生日、おめでとうございます。3問目の皇室の情報発信に関連してお伺いいたします。先ほど陛下は、皇室に関する情報は、適切なタイミングで分かりやすく発信することも大事だとおっしゃられました。この分かりやすく発信するということに関して、具体的にイメージされていることですとか、アイデアがありましたらお聞かせください。また、海外の王室などで発信されている事例などで、何か参考になったり、日本の皇室でも取り入れてもよいのではないかと思われるような出来事がありましたら、そちらも併せてお聞かせください。
今、御質問のあった件については、今現在、宮内庁でもいろいろと検討が進められていると思います。ですから、これは宮内庁の今後の対応に任せたいというように思っております。また、海外でもいろいろな王室の方々がSNSを使ったりして情報発信しておられることは、私も承知しております。恐らくその国々にあった形で、それぞれ発信をしておられることだと思いますけれども、この辺も宮内庁の方でもいろいろと情報を集めているのではないかというように思っております。
今お話のあった、上皇上皇后両陛下が硫黄島に行かれたことについて、私も上皇上皇后両陛下から硫黄島に行かれた時の話をいろいろと伺っております。大変悲惨な戦闘が行われ、また多くの方が亡くなられたことを、私も本当に残念に思っておりますし、このような硫黄島も含めて、日本各地で様々な形で多くの人々が亡くなられている。こういった戦争中の歴史についても、私自身、今後ともやはりいろいろと理解を深めていきたいというように思っております。