父に感謝している事としては、私を大学に入れてくれたことと、私名義の貯金を残してくれたことでしょうか。

金で苦労することの多かった父は、家族の金の使いみちにまでいちいち文句を言うくらいの『弩ケチ』ではありましたが、そのおかげで幼い頃から貯蓄の習慣が身につきました。

何より守銭奴が故に、親父はあまり家の金を使うこともなかったので、私が家に入れてきた分の金も含めて、そのまま残された家族の財産として将来的に回収することも可能ではあります。



大学のゼミや講義では、自分でものを考えて他者と議論する機会に恵まれ、それまでの人生では得難かった学ぶことの楽しみを味わう事が出来ました。

それまでの小中高生時代の勉強は、進学の為だけのもので、正直面白くも何ともなく、
興味のある得意科目だけの成績が高くても褒められるよりも苦手科目の点数の低さを責められ続け、
子供の興味を伸ばすことよりも、
ただ計算が早いか、
漢字を覚えているか、
そういったわかりやすい成果をあげることのみを求められ、他人を如何にして出し抜くかという競争原理を叩き込まれてきたこともあり、小中高の勉強自体はむしろ嫌いですらありました。

それ故に、自分の子供には小さいうちから学ぶことの楽しさを知って欲しいです。

虫や花の名前を沢山知っているとか、そんな事でもいいので、それを褒めて伸ばしてやりたいと思っています。

そして、本人が望むなら、大学に進学させてやりたいとも思います。



実際のところ、大学で学んだことが社会人となってからどれくらい活かせているかと聞かれれば、正直、半分も活かせていないと思います。

それでも、自分が打ち込んだ学問や知恵は、自分の財産として残っていると思いますし、
日々の生活の中で忘れがちになりますが、くじけそうになったときに自分を励ましてくれるかけがえの無い友にもなってくれています。

そこに辿り着くまでの過程は最悪でしたが、
結果オーライだったと思いたいものです。