妹のゆかが病気になったのは2011年の夏でした。
激しい腹痛で入院し、卵巣腫瘍からの出血と言われ、緊急手術になろうとしていましたが、検査を進めていくうちに、子宮にも胃にも腫瘍があり、腹膜や胸膜にも異常が疑われ、なんと、脳に転移があることがわかりました。
それでも出血を止めるために手術が予定されていましたが、出血が自然に止まって来たので、手術は中止になりました。
あちこちに転移があるのに手術をしても根治療法にはならない、身体に癌を残していては意味がない、手術によって身体に負担をかけるだけになってしまう。
手術しない理由は、そんな風に説明されました。
そして、抗ガン剤治療をすることになりました。
ただ、あちこちに腫瘍があり過ぎて、どこがもとの腫瘍か、どうしてもわかりませんでした。
原発腫瘍がわからないと抗ガン剤のメニューが決まらないのです。
そのため、卵巣癌の治療をしてみて、効かなかったら子宮癌の治療を、それもダメなら胃癌の治療を、という具合でした。
胸膜と腹膜の腫瘍があることから、中皮腫なども疑われたり、肺に怪しい影があったので、もとは肺癌かも、とも言われました。
放射線治療もしました。おかげで脳の転移は一時、とても小さくなりました。
胃の腫瘍には、内視鏡を使ったレーザー治療などをして、出血しないようにしたのですが、2012年に胃から大出血しました。
その頃妹は一人暮らしをしており、自宅で夜中に大量に吐血したのだそうです。
大きな洗面器に一杯の血を吐き、意識が遠のく中、自分で救急車を呼んだようです。
病院に運ばれた時には意識不明になっていて、血圧も下がっていました。
貧血を示すヘモグロビンの値は5.0まで下がり(普段から貧血でしたが、それでも正常が12以上のところ、いつも10~11ぐらいでした)、体内の血液の半分以上が失われた状態だと言われました。
血圧が低下し、意識も無いショック状態なので、危険過ぎて内視鏡検査もすぐには出来ない、とのことでしたが、大量の点滴や輸血で血圧が上がって来て意識も回復して来たので、緊急内視鏡検査を受けることが出来ました。
内視鏡で胃の腫瘍からの出血と判明、内視鏡的止血術が難しいため、放射線科でカテーテル治療を緊急で受けました。
腫瘍に行っている血管を詰めてしまう動脈塞栓術で、どうにか出血が止まりました。
もう少しで亡くなるところでしたが、助けていただきました。
卵巣から出血、胃から出血、次は脳からの出血でした・・・。