朝。


彼女と会う前に、時計の修理センターへ。



時計修理センター。

街外れの住宅地にひっそりと佇む小さな工房。

その中で、ご年配の男性2人が静かに時計を直している。


職人気質の頑固な老人…と言いたい所だが、スゴク物腰が柔らかい、優しいお二方が出迎えてくれる。




カチカチカチカチ…。



ゼンマイ仕掛けの振り子時計の音と、静かに流れるラジオ。

なんだか、異世界にいる様な独特の空間。

何となく、宮沢賢治の世界観を思わせる。



壁に掛かった無数のゼンマイ式振り子時計は、文字盤を外され、内部構造がむき出しになっている。

歯車だらけのその時計は、なんか今時のお洒落な時計より、ずっとカッコ良く見えた。



お客様からお預かりした時計を見てもらう。

一瞬にして故障箇所を見抜くプロの目。


「熟練」という言葉がピッタリだ。



お二方とも、お年を召してらっしゃるので、大変かとは思いますが、これからも皆の思い入れのある時を守り続けて頂きたいと心から思います。




その後に食べたモスが格別に美味しかったのは、あの時計に囲まれた優しい時間があったからに違いない。