最近、退屈な休日は競馬場に足を運ぶ。
そこには、色々な人がいるわけで…。
その日も、馬券を握り締めゴール前でレースを観戦していると、隣にやってきた不思議なおっさんが独り言というには大き過ぎる声でぼやき始める。
「小林出遅れたじゃ」
「ったく、何やってんだよ、小林ぃ」
スタート直後からこの調子だ。
ちなみに、小林俊彦騎手は岩手のトップジョッキーである。
「なんでそんなトコにいるんだよ、小林ぃ」
「何やってるんだよ、ホントによぉ、小林ぃ」
小林騎手が騎乗している馬は、スタートでチョットだけ出遅れた。
いつもは前目でレースを進める馬がやや後ろ目でレースを進めていた。
「後ろ過ぎるじゃ、小林ぃ」
そんなこんなで最後の直線。
徐々に小林騎手が前へ進出。果たして、おっさんの運命は?
「小林ぃっ!!小林っ!!!!」
おっさんの声に引っ張られる様に内から突っ込んでくる赤い帽子。
「差せっ、小林っ!!小林ぃ~っ!!」
猛烈な追い上げで差しきり、小林騎手が1着でゴール。
さぞかし喜んでいるであろうとおっさんを見ると…。
「…」
えっ!?無言!?
獲った(的中した)んじゃないの
謎多きおっさんである。
奇遇なことに、最終レースもおっさんの隣でレース観戦。
「小林ぃ、またあんなトコにいるじゃ」
「っんとに、小林はわかんねぇ~なぁ」
またスタート直後から小林批判である。
きっとまた1800mのレースが終わるまでこの調子であろう。
「小林ぃ、何やってらじゃ」
やはり…。
というわけで、最後の直線。
「来いっ、小林ぃっ!!」
「小林っ!!小林ぃ~っ!!」
おっさんの叫びも虚しく、小林騎手騎乗馬は3着止まり。
残念だったな、おっさん。俺と一緒に悲しもうではないか。そんな思いで、おっさんの方を見ると…。
「獲った(的中した)じゃ…」
えぇ~っ!?
小林から買ってたんじゃないの![]()
謎は深まるばかりであるw
