西口のやや入りくんだ場所にある。可愛らしい小さな看板を見つけられるだろうか。

バラは情熱の象徴である。燃えるような赤。

貴方は耐えられるか。
私はさながら、カチカチ山のタヌキのような気分であった。
熱いのが欲しかったら、迷わず、アロマコースを選択してほしい。


帽子のコレクションにはふれないほうがよいだろう。

不思議な空間に迷いこんだ。
馨は勿論、香の旧字体である。香にはない格調が感じられる。


噂にたがわず、ママは気持ちのよい方で、少し待たされ、出がらしのようなコーヒーをだされたものの、時間は気にならなかった。


担当の女性は小姐で、少しだけ屈折した見方をする人であった。
可愛らしい人だけれど。


不意に宇多田ヒカルの「flavor of love」 を思い出した。

愛に馨はあるのだろうか。
鈴と聞くと、ワンピース空島編を思い出す。

ノークランドの子孫にルフィが届けた鈴の音は、何処までも澄んで、これまでの無念を静かに溶かしていった。
確かに鈴には人の心を鎮め、共鳴させる力がある。


お店は完全予約制。
タワーマンションの一室にあった。
ママは美人で、経営者として、やる気に満ちている。

施術の部屋はとても綺麗で、インテリアもおしゃれだった。

ただ肝心のマッサージは、私には鈴のようには響かず、癒しの力も届かなかった。


梅雨模様の空のせいかもしれない。