昔通っていた高校の通学路をサイクリングする、ってのをたまにやる。懐かしい道を自転車で走っていると、当時の記憶がちょいちょい蘇ってくるのだが、当時は嫌なことがあると、未来の自分に瞬時にタイムスリップして今の嫌なことを遠い過去の思い出にできたらいいのにな、みたいな妄想をしょっちゅう考えていた(これって自分だけ?)。傍からすれば完全に現実逃避以外の何ものでもないように聞こえるかもしれないが、当時は割と本気で、それが現実から目をそらす後ろ向きな逃げではく、困難に対する技術的で前向きなアプローチとして使える手段と考えていて、実際に、最大1週間くらいの時間であればできていた。テスト終わって開放感MAX状態の自分に、これから勉強するのが嫌で嫌で仕方ない1週間前の自分が瞬時にタイムスリップしてくる、みたいな感じで、テスト期間などはこの技を実用レベルで使いこなしていた。今、こうして自転車で走ってると、20年以上の時を越えて過去の困難を回避することに成功した高校生だった当時の自分が、次から次へとタイムスリップしてくる。注)最近買った自転車が快適すぎてキマっちゃってる訳では決してない。この技が正解なのかどうなのかは今のところよく分からないけれど、その当時は嫌で嫌で仕方なかったことでも、今思えばそれらはちっぽけすぎて何だったかすら思い出せないし、この技を、人生の割と早い段階で習得できた自分の人生は、まあまあ楽しい。