文化ライターのブルーノです。

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今回は、技術士総合技術監理部門の「教育訓練管理」についてです。
なお、教育訓練管理は、人的資源管理の項目になります。

企業において、成長の鍵を握っているのは人材といわれています。
はじめから優秀な人はいません。
人は、教育や訓練などによって成長していくものだと思います。
近年、あらゆる産業で「競争社会」「成果主義」「自己責任」などの考え方が進んでいくなか「人を育てる」という視点が希薄になっているように思います。
企業の管理者は、「即戦力としての人材」を必要とする一方で、「長い目で人を育てていく」ことも社会全体を豊かにする意味で大切だということを知るべきです。
昨今、「ブラック企業」「長時間労働」「過労死」というキーワードに代表されるように暗いニュースが多いです。
政府も「働き方改革」を進めているところであり、企業の経営者は経済性を追求するだけでなく、コンプライアンスはもちろんのこと労働環境の改善、やりがいの持てる職場づくりに積極的になってもらいたいです。

さて、教育訓練管理について、青本3.4.2に次のように書かれています。
「企業などの組織における教育訓練は、組織が必要とする人材を育成するために行われる活動である。従って、まず組織運営上の人材に対する要求を明らかにし、組織が必要とする人材象を明確にすることが求められている。」

一般に、組織が求める能力は、次の4つといわれています。
①課題設定能力(問題発見能力)
②職務遂行能力(スキル、行動力)
③対人能力(コミュニケーション能力)
④問題解決能力(論理的考察力)

教育訓練の体系は、一般に、階層別教育訓練、職能別教育訓練、課題別教育訓練の3つがあります。

次に、教育訓練の手法・技法および方法についてですが、かなり重要なものになります。
過去の択一問題でも定期的に出題されていますので、基本事項は必ず押さえておきたいです。
また、論文試験においても、問題テーマに合った人的資源管理を記述する上で知っておかなければなりません。

教育訓練の手法・技法および方法について、青本3.4.2に次のように書かれています。

(1)教育訓練手法・技法
①知識教育
商品や技術に関する専門的な情報や仕事の手続きを知識として理解させることを目的として、講義や見学により実施される。
②技能教育
知識を活用して仕事に生かす技能を伸ばすことを目的として、実習などの形式で実施される。
③態度教育
職場の同僚と協力する姿勢や仕事に積極的に取り組む態度を向上させ、対人能力を高めることを目的とし、討議やロールプレイングにより実施される。
④問題解決能力開発
組織が求める課題を設定する能力や問題解決の能力を養成する。ケース・スタディや課題研究法が用いられる。
⑤その他の開発
創造性開発を目的としたブレイン・ストーミングやイメージトレーニング、組織能力開発を目的としたコミュニケーション・トレーニングなどがある。
(2)教育訓練方法
①OJT
上司や先輩などの指導の下で、職場で働きながら行われる教育訓練である。
②OFF-JT
職場から離れ、外部の教室などで行われる教育訓練である。
③自己啓発
通信教育を受けることや留学するなど、個人が主体的に行う教育訓練である。
一般に、教育訓練の実施主体となるのは、教育訓練スタッフ、組織の管理者、そして本人である。大きな組織では、教育訓練スタッフは専門部署を構成し、その役割に特化することが一般的である。
そして教育訓練スタッフは主に社内研修などのOFF-JT、組織の管理者はOJTと自己啓発、本人は自己啓発に責任を持つこととなる。


教育訓練手法・技法のポイントは、人材育成の目的に合ったものを適切に選択し、場合によっては複数の手法・技法を組み合わせて実施することです。
そして、教育訓練の効果を短期的なものと中長期的なものに分類して、それぞれ効果測定できる仕組みを構築することだと思います。
万能な教育訓練の手法・技法というものは存在しませんので、ここでもPDCAサイクルを回しながら改善していくことが管理として求められます。
教育訓練方法のポイントは、自己啓発だと思います。
OJT、OFF-JTは、ほとんどの企業で、基本的には実施されていることと思います。
一方、自己啓発については、本人しだいの面がありますので、ほとんどの企業においてなかなか取り組めていないのが実情だと思います。
技術士総合技術監理部門の考え方では、組織の管理者は、OJTと自己啓発に責任を持つことになっています。
つまり、管理職は部下へのOJTだけでなく部下が自己啓発に打ち込めるような環境を作ってあげたり、何か自己啓発をやりたいと思うような動機づけをしてあげなくてはなりません。
現実の社会では、部下の自己啓発まで責任を果たそうと考えている管理職は少ないのではないでしょうか。

皆さまも、教育訓練管理について、勉強してみては如何でしょうか?
現在、経営者であったり管理職をやっている方は、ぜひ深く勉強してみられることをお勧めします。





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