文化ライターのブルーノです。

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皆さまのお役に立てる情報を発信していきたいと思います。

今日から、″技術士総合技術監理部門の受験対策″また″ブルーノの備忘録″として、定期的に情報を発信していきたいと思います。

今日は、リスク管理危機管理をテーマにします。
皆さん、リスク管理危機管理の違いがわかりますか?
言葉の違いだけで、意味は同じなんじゃないかと思いますよね。
日常生活でも、この二つの言葉を使い分けて話する人はほとんどいないと思います。
普通は、ほぼ同じニュアンスで使っていると思います。

例えば、
「旅行の前にリスク管理として明日の天気予報を見ると、旅行先の降水確率が高いので、傘を準備しておきます。」
「旅行の前に明日の天気予報を見ると、雨が降るようなので、傘を持っていき傘をさす人を決めておきます。」
この二つの話は、いずれも違和感がなく、同じような意味として聞き取れますよね。

しかしながら、総合技術監理の面で見るとこの二つの話は違う意味合いなのです。
実は管理の着目時間が違うということなのです。

よくわかりにくいですよな。

技術士制度における総合技術監理部門の技術体系(第2版)、通称「青本」のP133に以下のように書かれています。

(抜粋)
組織や施設を守る安全の仕組みとして、リスク管理危機管理というシステムがある。
事故や危機がなるべく起きないように対処する活動をリスク管理と呼び、事故や危機的な状況が発生した後の活動を危機管理と呼ぶことが多いため、本書でもそのように区別する。
リスク管理は、定常的な組織において定期的に運用される場合が多い。一方危機管理の場合は、専門的担当組織は定常的に存在するが、事故や事件が発生した後、短時間での対応とならざるを得ない場合が多く、一時的なタスクフォースとして実施することが多い。

要するに、「危機が発生しないように対応を考えること」がリスク管理であり、「危機が発生した後の対応を考えておくこと」が危機管理だということですね。

先ほどの例でいえば、
「旅行の前にリスク管理として明日の天気予報を見ると、旅行先の降水確率が高いので、傘を準備しておきます。」
この話では、事前に『旅行先の降水確率が高い』ということを重視しているのでリスク管理の話をしていることになります。
一方、
「旅行の前に明日の天気予報を見ると、雨が降るようなので、傘を持っていき傘をさす人を決めておきます。」
この話では、雨が降った場合に『傘をさす人を決めておく』ということを重視しているので危機管理の話をしていることになります。

この二つの管理(用語)は、似て非なるものなので、受験に際しても注意が必要と考えています。
過去問を調べて見ると、二つの用語の意味について択一問題で出ていましたし、記述問題ではほとんどがリスク管理の内容で、少し危機管理の問題が出ています。
最近の記述問題は、特に複雑になっているようで、リスク管理危機管理の考え方を体系的に押さえておく必要があると思います。
なお、リスク管理は、リスクマネジメントと呼ぶこともあり、その目的はリスクを最小化することです。

次回は、リスクに関して情報発信していきたいと思います。
そのために、頑張って勉強しておきます。

技術士制度における総合技術監理部門の技術体系(第2版):通称「青本」



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