葉が紅く色付くこの季節。

秋だ。


あの時止まったままだったはずのあたしの季節。

あの時モノクロになってしまったはずのあたしの季節。


この秋の風に運ばれてきたのだろうか。


浮かれた春も、汚れた夏も過ぎ去って、高揚する秋が巡ってきた。


紅く色付いた葉は、空に近くもあったけれど、意外にも落っこちていた。

すぐそこに落っこちていた。


今、落っこちた紅葉の葉を拾ったところだ。

楽しみに懐に秘めて、その時を待つ。

高揚するのも秘めて、その時を待つ。


あなたも同じであるなら、もうその高揚した心は解き放とう。