“さつき”と“e-や”のお話し。第1回目。
これは、現実か、空想か。フィクションか、ファンタジーか。2人の女の子のお話し。
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さつきは小さい頃、親の愛情不足によりなのか、元から壊れていたからなのか、恋も愛も何も分からない女の子であった。さつきの妄想ではいつも、とっても強気なお姉様が出て来て、さつきを可愛がり、また責めた。
さつきがいよいよ自虐的になり始めていた。でもまだ夢が満ち溢れ、情熱を持ち、希望の中未来を生きていた頃、e-やと出逢った。その出逢った時から始まる物語。とてもクレイジーだってこと、誰にも分からないし、知られてもいけない。
-二人ぼっちの始まり-
出逢ってはイケナイ2人の出逢いは、大学生になって間もない4月。身体測定の日だ。まだ2人共、“友達”と呼べる仲間はできておらず、2人共が一人ぼっちだった。さつきは、一人に慣れた振りをして、自然と周りにもそれを伝えていた。そんなさつきに、e-やがすーっと通る風の様に声をかけた。
「どこで着替えれば良いの?」
e-やは、背は低く可愛いのに、実にお姫様に見える美貌を持っていた。さつきと違い、恋多き女の子であった。見た目が綺麗なだけじゃなく、自分が手にする物も綺麗に扱う潔癖さで、病的に手から物までも洗う子だった。
そんなe-やは、スクールバスの中でさつきの事を「可愛い子だな」と何気なしに見ていた。いつも一人で居るさつきにふと声をかけたのである。
“友達”の始まり。女の子の友達なんて、そんな始まり方が多いものである。
それから身体測定を受ける為、大学校舎を一緒に周った。何の意味も無い様な会話もしたりしが、さつきは少し一般的には“重い”話題をe-やに振ったりもした。さつきは内心、「これでダメならダメなのだ」という諦めがついていたが、意外にもe-やは、またも通ってゆく風の様にそれに答えた。
気が合う2人であった。
タイプは全然違うのに。