大人の発達障害者の更生? 思春期以降に気づいた障害者が社会で生きていくことの難しさ④ | 発達障害一家・5人揃ってアスペ+ADHDだからできること

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ADHD+アスペルガー症候群の当事者です

息子たちと旦那も同じ障害を持っていますが
だからこそできること  を大切に。
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随分時間が空いてごめんなさい。

 

シリーズ記事の続きです。

 

 

大人の発達障害者の更正?思春期以降に気付いた障害者が社会で生きていくことの難しさ①


大人の発達障害者の更生?思春期以降に気付いた障害者が社会で生きていくことの難しさ②


大人の発達障害者の更正?思春期以降に気づいた障害者が社会で生きていくことの難しさ③

 

 

 

 

前回の記事で書いた事例は主に 自閉症スペクトラムの方に起こりやすい出来事ですが、皆さん その理由がわかりましたか?

 

飲食店でのお仕事の話。

 

 

■「漬物 どうですか?」→「とてもおいしそうですね」

 

質問者は、作業の進行度合いについて訊いていますが、本人は「漬物自体」のことを聞かれていると思って、「漬物」に関しての感想を述べています。

 

 

■「漬物、もう終わりそうですか?」→「まだたくさんありますよ」

 

これも、質問は作業に関してですが、本人は「漬物」といわれたんので「漬物」に関しての答え。

「漬物」が「終わるか」    在庫があるか無いかの話になっています。

 

 

■「もう終わりますよね?」→「不思議そうな顔で見上げる」

 

「まだたくさんあるのに」 と思っています。

 

 

■漬物の盛り合わせがお盆ごとに違っている

 

口頭での指示だったため、作業を進めるうちに記憶が曖昧になり、間違えを起こします。

発達障害者は、聴覚からの情報をとどめておくことが苦手な人が多く、秒で忘れます。

 

 

 

 

仕事として指示を出している方からすると、「わかんないならメモ取れよ」とか、「今やってる作業考えたら、なんのこと言ってるか考えればわかるだろう」って話なんですが、

 

 

ごめんなさい

わかんないです。

 

 

 

メモはね、そうなんですけど、それも言わないとわかんないし、そもそもメモ取る段階で解釈間違えてメモとってしまったりも起ころうるので要注意。

でも、わざとじゃないし、みんな本気で一生懸命なんです。

 

 

 

ちなみに、同じ作業を同じようにADHDの人に頼んだ場合はどんなことが起こりうるかというと、

 

・作業の途中でいなくなる

→ほかのことに意識が向いたり、やっていた作業を忘れてしまう、集中力が切れてしまう

 

・お盆ごとひっくり返す

→単純に不注意

 

・喋っちゃって進まない

→衝動抑制ができなくて、同時に作業ができない

 

 

もちろん、自閉の人と同じようなことも起きますし、ほかのことも起こりえますがこんな感じ。

 

 

子供かよ

 

 

って言いたくなると思うんですが、決してふざけてるわけでもサボりたいわけでもないんです。

 

 

こういった作業に関して、

本人にメモを取らせて・・・  も、もちろん有効なんですが、

メモだと、たいてい後で見ても自分でも何のことかわからなかったり、そもそも間違えてたり、無くしたりする可能性が高いので、

 

やり方として「正しい」のは

 

 

①盛り付けの写真を用意する

 

②作業の手順を箇条書きで細かく書いた用紙をセットでつける

*この場合

1.漬物①,②を2袋ずつ持ってくる

2.白いタッパーを二つ持ってくる

3.漬物①を片方のタッパーに入れる

4.漬物②をもうひとつのタッパーに入れる

5.お盆を3枚並べる

6.お盆の上にお皿を10枚ずつ並べておく

7.漬物①をお皿の左側に○グラムずつ入れる

8.漬物②をお皿の右側に○グラムずつ入れる

*以下省略  こんな風に具体的に

ちなみに、漬物①、②とかは写真に書き込んであげてください

タッパーにも番号振れればさらにわかりやすいですね

 

③写真とメモ書きを見せながら、指差しでそれぞれの物や作業をマッチングさせながら説明

 

④○番まで終わったら「●●に終わったと言いに来てください」と言いつつ、メモにも書き込む

 

⑤作業しながら目に入る位置に両方の紙を貼る

*この紙は、永遠に貼り付けておいてください

 

 

 

・・・という形ですね。

 

お気づきかと思いますが、各作業ごとにこの用紙がいります。

定型の人でも、最初のうちはこういったものを用意しますし、初めてのことはみんな似たり寄ったりかも知れませんが、

発達障害者だと、一度覚えたつもりでもいきなり忘れてしまったり、そもそも覚えること自体が困難な方もたくさんいますので、いつでも確認ができるようにしておいたほうが、、結果的に手間がかかりません。

 

何度も訊かれて、それがいちばん最初に教えたような基本的なことだったり、

そしてまた何度も何度も、何度も何度も、訊かれたり教えたりするのは大変ですし、効率も人間関係も悪くなりますからね。

 

 

 

・・・・めんどくさ

 

 

 

と思いますか?

思いますよね 笑

 

けれど、「仕事」で、「最初」にこれができるのであれば、慣れればそうでもないですし、

当事者本人にしても。、「仕事」ならまだ「聞ける」

 

 

けれど、

「仕事」以外のことはまた違う面が顔を出しますから。

 

本当に厄介なのは、「仕事」以外の事柄ではないかな   と、思いますね。

 

 

 

続く