社会に与える影響が大きいこと
それは、イコールで本人に与える影響も大きいということ。
障害特性が原因で起きうる問題は、大人になればなるほど、直接本人の「生活」「人生」に影響を及ぼします。
では、具体的にはどんな問題が起きるのでしょうか?
まず、改めてですが、
発達障害の特徴を確認したいと思います。
■自閉症スペクトラム
・限定された興味とこだわり
・コミュニケーション障害
・社会性の欠如
*DSM-5の診断基準と表現は異なります。
■ADHD
・注意力の欠如
・多動・衝動の抑制能力の欠如
主な二つだとこんな感じ。
*表現が直接的になりますがご容赦ください。
*その他の障害ももちろんありますが、併発する事や特性の共通項のような事柄も多くありますので、広い範囲での説明になります。
基本的に、「特徴」と挙げたこの分野に関して、「できる」ようになることはあまりありません。
療育やしつけを通して一定のスキルは身につけてきても、根本的なところで「わからない」し、注意力なんかは特にそうですが、脳の構造や物質的な問題が先天的にある以上、正直どうすることもできません。
人間関係に関してもそうですが、定型文のように場面ごとの対処を身につけたとしても、場所が違えば・人が違えば・ものが違えば、
私たちにとって「それ」は別の事柄として認識されてしまうし、どんなに気をつけるように言われても、そしてどんなに気をつけようとしても、脳が認識してくれないので手立てがありません。
できることは、外部的に「変わらないもの」に頼ることくらいで、自分の中のシステムは変えようがなく、
結果的に、なにかプラスで作業を入れてもらうくらいしかありません。
→ これが「支援」「サポート」の領域になります。
ADHDの治療薬に関しても、足りないものを物理的に投入するわけですが、じゃあって「補える」わけでもないもので。笑
根本的に「わからない」
そして、そのわからないことを聞く方法やタイミングもわからない。
さらに、誰に聞いたらいいのかもわからない。
そしてさらに、やっと聞いても、「言っていることが」理解できない。。
八方塞
ってやつになります 笑
周りからしたら当たり前のことが、ほんとにほんとにわからなくて、
勇気を出して聞いてみるんだけど、相手はさらっとしか答えてくれなくて・・・
でも何度も聞くといやな顔されるし、
自分で頑張んなきゃいけないんだし、
だからって、自分なりに解釈して頑張ってみたら、今度はまたそれが間違ってて・・・
うんざりされちゃう。
そんなことの繰り返しになります。
たとえば、
あなたの職場が飲食店だとします。
ある日、新しい従業員が入ってきました。
彼は30代半ば・・・くらいでしょうか。
これまでも飲食店で働いた事があるそうで、厨房の仕事は経験があるとのことでした。
経験者ということもあり、あなたは彼に簡単な仕事から任せてみようと思いました。
「まず、お店の定食に必ずつける漬物の盛り合わせのストックをお願いします」
あなたは、盛り合わせの組合せを口頭で説明し、完成させる盛り合わせの数を30個と指示し、「終わったら声をかけてください」と自分の仕事に戻ります。
しかし、いつまで経っても彼はやってきません。
おかしいと思ったあなたが様子を見に行くと、
そこには、黙々と作業する彼の姿がありました。
「どうですか?」
そう聞くと彼は「なにがですか?」と答えます。
「漬物。 どうですか?」
すると彼は、 「あ、とてもおいいしそうですね」 と答えました。
あなたが聞いているのは、作業の進行具合ですが、どうもかみ合ってないように思えます。
もう一度聞いてみることにします。
「漬物、もう終わりそうですか?」
すると今度は 「まだたくさんありますよ」答えました。
しかし、彼の手元を見てみると、10セットずつお皿を乗せたお盆がすでに2つ。
3つ目のお盆にも、すでに6個の盛り合わせが完成しています。
「もう終わりますよね?」
そう問うと、彼はとても不思議そうな顔であなたを見上げるのです。
そしてよく見ると、彼の手元の漬物たちは、お盆ごとに漬物の組合せが変わっているのです。
え、待って。
意味わかんない。
と思いませんでしたか?