突然、電話が鳴った。
東京にいる高校時代の友達からだった。

彼とは三年くらいは連絡をとっていない。

何の用か戸惑いつつ電話に出た。

「今、フジケン東京に来てるよね?」

「いやいや、バッチリ福島の自宅なうだよ」

「うそやん~、さっき見かけたんよ」

街で見かけた僕に声を掛けようと思ったら
見失ってしまい電話をしたようだ。

とにかく僕に似ていて
疑う余地もなかったらしい。

その後、他愛もない話をして電話を切った


…東京に僕のドッペルゲンガーがいる。


ドッペルゲンガーとは、
自分と全く同じ姿、形をしていて
世界に三人はいると言われている。

そして、ドッペルゲンガーに遭遇すると
死期が近づくらしい。

果して、僕のドッペルゲンガーは
どんな仕事をして
どんな生活をしているのだろうか。

ただならぬ好奇心が体中を巡った。

こうして、僕は僕のドッペルゲンガーを探すため、大都会、東京へと旅立つこともせず、寒さに耐え布団にくるまって眠ろうとしている。

おやすみなさい。