3大栄養素で健康を守るために目を向けたいのは
脂質。ただ脂質とひと口にいっても、種類があり
すぎる。
脂質の大半は脂酸産3個+グリセロール1個から
なる中性脂肪。このうち脂肪酸の多様な種類があり、
性質を左右するのだ。
脂肪酸は炭素、水素、酸素の3元素からなる。
炭素がすべて水素と結合する(飽和)のが
飽和脂肪酸、肉や乳製品に多いパルミチン酸、
ステアリン酸がある。
炭素に二重結合があり、水素とすべて結合していない
(不飽和)のが不飽和脂肪酸。二重結合が一つの
一価不飽和脂肪酸、二つ以上のある多価不飽和脂肪酸
がある。
一価不飽和脂肪酸の代表は、オリイーブオイルの多い
オレイン酸。多価不飽和脂肪酸には、二重結合の位置
でオメガ6系とオメガ3系がある。
オメガ6系はサラダオイルの多いリノール酸、オメガ3系
はえごま油などのα―リノレン酸、魚油の多いEPA,DHA
などだ。
取りすぎ傾向にある飽和脂肪酸とオメガ6系を抑え、一方
で一価不飽和脂肪酸やオメガ3系を増やす。
これが脂質攻略の基本戦略。
摂津取カロリー全体に占める脂質由来のカロリーの割合
(%エネルギー)目標は20~30%。うち肉や乳製品など
の飽和脂肪酸の割合の目標は7%以下。
日本人の脂質由来カロリーの平均値は29%前後と目標
ギリ達成だが、飽和脂肪酸は8%をやや超える。
「1日2000キロカロリー摂取すると、飽和脂肪酸7%は
15g。肉ばら肉100gで飽和脂肪酸は15g、バター大さじ
1杯(12g)で6gになりますから、肉や乳製品が多い生
活だと7%を上回りやすいです」
要は脂っこいものほど飽和脂肪酸も多い。牛豚なら赤身
肉、皮なしの鶏肉、白身魚のようにあっさりしたたんぱく
質を選ぼう。飽和脂肪酸を抑えるなら、こってり飯は
多くても1日1食まで。