『養生訓】の人気の秘訣は、こうした仔細な健康法が益軒自身の体験

 から生み出されたものでありながら、さらに世の中や人の運命の流れ

 を鋭くとらえ、健康と結び付けていることにあるのではないでしょうか。

 

 食べ物や食べ方が、その人の健康を左右するばかりか、生き方や運命と

 もリンクする。----そこからしさされるものを考えるべきは、

 現代に生きる私たちのほうかもしれません。

 

 この養生訓の教えをもとに、維静香左舷が考案した食養法を基準とし

 桜沢如一が拡大し命名したのがマクロビオテックです。

 穀物と野菜が中心の食事法、全粒粉や玄米など食材を精白せずに

 「全体」を食べる、、、という考え方が、近年欧米のセレブ達の間で

 人気を呼び、日本にも逆輸入という形で再びブームを起こしています。

 

 このような流れでに、大腸の専門医の立場から「腸」を特化して結び

 つけたのが「食養腸」という概念です。

 

 「食養腸」は、食生活が乱れ切った現代において益軒のごとく

 「食養生」を実現するには、まずは腸をよくする食養生を、という

 考えから始まっています。

 腸の動きが鈍くなると、便秘から肌あれ、お腹のでっぱりや頭痛、

 全身疲労など様々な弊害をもたらされます。それを防ぐためにも

 腸を活発に動かして健康を保とうという考え方をまとめたものです。

 

 具体的には、①食物繊維の摂取「水溶性と不溶性を1対2の割合でとる)

       ②適度な水分の摂取

       ③オレイン酸の摂取(オリーブオイルなどに含まれる不飽和脂肪酸)

       ④オリゴ糖摂取

       ⑤適度なマグネシウム摂取

       ⑥植物性乳酸菌摂取

       ⑦ビタミン摂取

 この7つの要素をうまく組み合わせて、快適な「快調生活」を送ることが、

 食養腸の考え方です。

 腸内リセットをスムーズに行うために必要なのが、食養腸であり、腸内リセット

 後にも欠かせないのが食養腸なのです、と著者は話す。