ここからは、糖尿病治療の問題点について考えていこうと思います。
あなたが会社の健康診断で「おしっこに糖が出ており、血糖もちょっと高いですね。
もしかしたら糖尿病かもしれません。専門機関で調べてもらってください」と指摘され
たとする。あなたはおそらく、自宅近くの病院を受診するだろう。
そこでは血液検査やら何やらいろいろな検査をしてくれるはずだ。
その結果、「あなたは糖尿病です。治療せずに放置するといろいろな合併症が起こります。
糖尿病性網膜症で失明するかもしれません、また糖尿病性壊疽(壊疽)で足が腐ったら、
足を切断しないといけないし、糖尿病性腎不全になったら人工透析になります」と説明
されたとする。糖尿病の恐ろしさを説明する医師の言葉を聞いて、あなたは身震いする
だろう。
もちろんあなたは足を切られたくないですし、失明するも嫌だ。だから医者に、「どうし
たら治りますか?」と質問するだろう。その時医者はどう答えるか。
「最初は食事制限をします。そして内服薬も必要です。しかし、それでも血糖値が下がらない
場合は、インシュリンの注射です」と説明し、栄養指導室で糖尿病の食事療法の指導をする
はずだ。
では、実際の食事療法はとはどんなものかというと、毎日の食事を「糖質:タンパク質:
脂質」=「60%:16~20%:20~25%」にして、1日の総カロリー1600キロ
カロリーに抑えるものである。これが糖尿病学会が推奨する糖尿病の食事療法だ。
要するに、「カロリーの取りすぎ、特に糖質の取りすぎが糖尿病の原因であるのだから、
せt主カロリーを減らし、脂質をなるべく取らないようにしなければならない」という考えに
基づいて考えだされた食事なのである。
これを見て、本書の読者なら「オイオイ、それっておかしくないか?」と思うことだろう。
なぜなら、血糖値を上げる唯一の栄養素は、脂質でなくて糖質だから。
肉を山ほど食っても食用油をゴクゴク飲んでも、血糖値は上がらないのだから。
ちょっと知識があれば、「食事の6割が血糖を上げる糖質じゃ、食後に血糖が上がるよ。
血糖が上がった糖尿病は治らないよね」と気が付くはずだ。
だから、いくらカロリーを制限し、脂質摂取量を減らしても、この【糖質6割】の食事を
摂っている限り、糖尿病は治らないのだ。
その結果、どうなるか。
食後の血糖値はもちろん高いままだし、糖尿病の症状も改善しない。糖質を上げる食事を
食べさせているから当然である。だから糖尿病治療薬のない服も必要になり、それでだめなら
インシュリン注射をするしかない。
要するに、「糖質たっぷりの糖尿病食」を食べ続ける限り、一生、糖尿病がついて回り、一生
治療を続けるしかないのだ。