小林多喜二(1903~1933)生誕120年を記念する「多喜二祭」が多喜二の生誕地秋田県大館市(おおだてし)で行われた。

「多喜二祭」は多喜二の命日に合わせて地元の人たちが毎年開いている催しでもあるが、参加者は多喜二の志に思いをはせ、世界平和を祈った。

 

多喜二は旧下川沿村(現大館市)の農家に生まれ、4歳までこの地で過ごしたが一家の生活が厳しく親類のいる小樽に移住している。現在の小樽商大卒後に旧拓殖銀行に勤めながら代表作「蟹工船」を書き上げている。左翼運動で銀行を解雇された後も活動を続けるが、逮捕され東京の築地署で特高警察の拷問により29歳の若さでこの世を去った。

 

地元の人たちは多喜二の事件の悲惨さ決して忘れずに、その後も今日に至るまでその志を持ち続けていることに対しては敬意を表するばかりである。特に今日のように「新しい戦前」と言われるような、きな臭い時代であればこそその意義は大きい。

 

若いころ大館市に住んでいたことがあり、多喜二生誕の地には何回か訪れたことがある。JR奥羽本線下川沿駅構内に有志が建立した石碑があります。

 

 

過去の歴史的な事件は常に検証して引き継いで行かなければ忘れ去られ風化してしまう可能性があるし、歴史修正主義の流れの中で故意に否定されてしまう恐れもある。少なくとも身内や子どもたちにはしっかりと語り継いで行くのが私どもの役割と思っている。