最近、自分のスキマ時間を売るサービスが流行っているらしい。スキマ時間を売るというのは、つまり超短時間のアルバイトのようなもので、スキマ時間にちょっとした仕事を入れて小遣い稼ぎをする、というようなサービスらしい。

タイミーとか、そのあたりが結構有名。

こういったサービスについて、少し考えてみたい。

そもそも、時間に縛られずに働く、という意味では、Uberなどのフードデリバリーもそうだろう。気づけばUberなどを利用するのは当たり前の世の中になっているが、これが浸透したのはいつ頃だろうか。こういったフードデリバリーをやる人というのは偏見を持たれずに、普通に仕事をしているような気がする。

これはいわば日雇い労働のようなもので(日雇いよりも短時間だが)、雇用関係というよりは一時的なお使いのような形態だが、意外とちゃんと機能しているような気がする。

もちろん、高度な仕事を依頼するケースはまれだろう。誰でもできる簡単な作業、掃除などを頼むケースが多いらしい。

しかし、忙しい現場では「簡単な作業」や「掃除」をやってくれる人がいるだけで、どれだけ助かることか。そういう人がいなければ、自分がスキマ時間を見つけてやるしかない。もっとやらなければならないことはいくらでもあるのに。

自分のいまの仕事で考えてみても、やらなければならないタスクが山のようにあるため、単純だが時間のかかる作業はどうしても後回しにしがちだ。しかし最近、能力的に普通の仕事がなかなか任せられない人が派遣スタッフでいて、その人にお願いしているので、ずいぶんと助かっている。

ある程度仕事ができると、あれもこれもとつい色んなことを頼んでしまい、単純作業に割く時間がなくなってしまったりする。その人はいい意味でも悪い意味でも「簡単なこと」しかできないので、タスクの濁流に飲まれずに済む。

「それしかできない」ことに価値があるなんて思ってもみなかった。

昔、物流倉庫で管理職をしていたことがあるのだが、新しく仕事をはじめるときの検討は結構難しかった。営業から案件が回ってくるのだが、たとえば「2人で2時間かかる仕事」みたいに、中途半端な量の仕事を持ってこられるのが一番困った。

「8時間かかる仕事」みたいに一人をそこに当てがうことのできる仕事の場合、話は早い。それをやる人を採用すればいいだけだからだ。しかし、2時間で終わる仕事の場合、そのためだけに人を雇うわけにはいかない。

ほかの仕事とうまく組み合わせられればいいのだが、なかなかそううまくはいかない。なので、最初のうちは管理職が自分でやったりしていた。そう考えると、「中途半端な仕事」を埋めてくれる労働力があると非常にありがたいな、と。

人間の仕事の汎用性はすごい。よく、機械化すればなんでもコストダウンすると思いがちだけれど、汎用的な機械はものすごく高い。それ専用に作られた機械は、その仕事がなくなるととたんに無用の長物と化す。

人間ほど、汎用性にあふれて、安い労働力はないのだ。なんだか悲しいことだけれど、それが事実で、それをうまく利用したものといえるだろう。昔の社会だと丁稚奉公がやっていたのだろう。現代でも、ヨーロッパなどでは移民がやっていたり。

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