Kritaとは
Kritaは無料のパソコン用お絵描きアプリです。
(Windows、Linux、macOS版があります。)
手ブレ補正機能のついたペン、豊富なブラシ、エフェクトなど定番お絵描きアプリにあるような基本機能は全て揃っています。
その上で、キーフレームによるアニメを作る機能も備わっています。
画面や設定を切り替えたりすることなく、お絵描きをしている画面そのままで、キーフレームを追加していくだけです。
わかりやすく、かなり本格的なアニメも作ることができると思うので、おすすめです。
私はパソコンのOSに合わせて古いバージョンのkrita(mac版3.32)をメインに使っているので、最新版の情報も取り入れていますが、説明が合わない場合もあるので注意してください。
公式サイトから過去バージョンもダウンロードすることができます。
正直、まだ私も本格的に使ったことはないので、初心者として特に分かりにくかった部分だけメモしていこうと思います。あくまで自分が使いやすかった方法なので、参考程度にしてください。
ちなみに、Kritaの読み方は特に決まっていないそうです。
公式のマニュアルはこちらです。
動画書き出しがうまくいかない…
実は私は動画形式では、まだ書き出しができていません。
以前も紹介したFFmpegを使うのですが、うまくいかなかったので、動画の作成は画面録画することで対処しました…
MPEG-4動画の出力で、FFmpegファイルを選んで、連番pngまでは書き出すことができました。
pngシーケンスを動画にするツールを他に使えばうまくいきそうです。
(gif動画の作成は成功しています。)
Kritaの使い方
新規作成する
まず、ファイルを新規作成すると、アニメ作りに特化したモードがあるが、個人的には少し使いにくかったので、普通のモードで作成。
一旦、アニメ書き出し予定サイズで作成し、あらかじめそのサイズでキャンバスを囲んでおくなどしておく。
メニューバー→画像→キャンバスの大きさを変える→現在のサイズより少し大きめに設定し、塗り足しエリアを確保する。
書き出しの際に同じく「キャンバスの大きさを変える」で元の大きさに戻せば、周りの描画は消えることなく設定サイズで書き出しができる。
最近流行の黒い系のインターフェースは気が滅入るので、設定→テーマ→Breeze Lightにしておく。
パネルを出す
次に、設定→ドッキングパネルから必要なパネルを出す。
常に出しておくと便利な、おすすめのパネル
ブラシプリセット
自分のカスタマイズしたブラシにlikeなどのタグをつけておき、表示タグを選んでおけば、必要なブラシだけ表示されるので使いやすい。
パレット
よく使う色を登録しておく。
レイヤー
すべてのレイヤーが表示される。
レイヤーを右クリック→タイムラインに表示で、タイムラインにもそのレイヤーが表示される。
アニメーションタイムライン
選択中のレイヤーと、タイムラインに表示にチェックを入れているレイヤーのみ表示される。
ここでフレームを増やしアニメーションを作る。
前後フレームの表示
前後フレームが薄く透けて見える、いわゆるオニオンスキンの設定。
拡張色
色を選ぶ。
ツールのオプション
ペンの手ブレ補正機能の調節などをここでする。
自分はペン入れの際は、安定手ブレ補正にし、その都度距離を調節しながら描いている。
出したパネルは使いやすいように配置し直す。
ちなみに、マウス右クリックで、丸いパレットが出てきます。
ブラシを追加する
画面上部のボタンからブラシエディタを開き、(最新版では、さらに左上の<からブラシプリセットを開く。)イメージに近い既存のブラシを選び、使いやすいようにカスタマイズする。
旧バージョンでの注意(最新版では大丈夫)
必ずブラシの名称を変更してから登録する。そうしないと上書きされてしまう。
ブラシの名称を変更すれば、「Overwrite Preset(ブラシを上書きするボタン)」が、「Save to Presets(ブラシを新しく保存するボタン)」に変わるので、ブラシの設定後にそのボタンを押せば、上書きされることはない。
その際、なぜかウィンドウ右側下のブラシマークを押して取得しておかないと、元のアイコンは適用されない(スクラッチパッドのエリアに試し書きした画像がアイコンになる)。
主線用のペンを設定する
ブラシ形状の項目に、アンチエイリアスのON、OFFを選ぶチェックボックスがあるが、実はこれを外すだけでは線に色の濃淡が出てしまう。主線は、テレビアニメのようにはっきりした線を描きたいので、ブラシ端の硬さ、またはシャープネスの項目にチェックを入れ、しきい値と強度を調節することで解決する。
ブラシの設定を細かく調節すれば、ベクター(あとで太さなどが修正ができる線)ではないが、定番クリスタなどのようなスムーズな線が描くことができる。
フレームを追加する
各レイヤーのタイムライン右クリックからフレーム作成。
フレームを作成するとアニメ用のレイヤーと認識される。
フレームを右クリック→空のフレームを作成(旧:新規フレーム)で何もないフレームを作成できる。
少しややこしいのだが、まだフレームがひとつも無くても、そのレイヤーに描いた絵をフレームとして固定するには、フレームを複製(旧:フレームをコピー)を選ぶ。前のフレームの絵を引き継ぐ際もこれを選ぶ。
一応、フレームはまとめてドラッグで動かせるが、何となく動かし方にクセがある。
音声を入れる
そもそもKritaを知ったのは、音楽に合わせてアニメーションを作れるアプリがあるかなと探してみたのがきっかけでした。
アニメーションタイムラインにある小さいスピーカーマーク(旧バージョンではめちゃくちゃ小さい!)から音声ファイルを読み込み。
旧バージョンでは音が飛んでうまくいかなかったのですが、(mp3ではなぜか全く音が聞こえなかったのでwavで。)最新版では大丈夫みたいです。
音楽にタイミングを合わせてアニメーションMVなど作れたら楽しいかも。
読み込める音声は1つだけです。Krita内で音を重ねたりはできません。
通常は音声ごとアニメーションの書き出しもできません。
レイヤーについて
前後フレームの表示
各レイヤーの豆電球のマークを押せば、オニオンスキンが発動する。
合成モード
お絵描きアプリによくある「発光」は、Kritaでは「明度」と呼ばれているみたい。
「色を混ぜる」にある「消しゴム」と「裏透かし」がめちゃ便利。他のお絵描きアプリにも搭載されて欲しい。
合成モードの名前の横にあるチェックボックスは、ちょっと紛らわしいけれど、「お気に入り」の意味です。
変形マスクを追加する
変形マスクを使うと、元のイラストを変えずに、変形や移動、拡大縮小などができます。
- 最初に既にあるレイヤーに変形マスクを追加します。
- 変形ツール を選びます。
- ツールのオプションドッカーから変形モードを選び、変形マスクが選択された状態で、レイヤーに適用します。
- 適用を押します。
- 変形が適用されたものと元の画像を比べるには変形の表示を切り替えます。
(下記リンク Krita Manual 5.2.0 変形マスクの項目から引用)
古いから起こるバグ?
時々拡大や手のひらツールをマウスで出せなくなる。とりあえずレイヤーを切り替えたりブラシを変えたりしないと直らない。
それと、ファイルをダブルクリックしてもなぜかアプリ本体しか開かない。その後もう一回ダブルクリックする。多分最新版ではどちらも解決している。
今回は以上です。ぜひKritaを使ってみてください!