来る日も来る日も、反復訓練を続けた。「あの人は意地になっている。治らない事は自分でも分かっている」と陰口を叩かれた。



彼は脳梗塞で、手足が麻痺になった。「もう一度、物をつかみたい。歩きたい」と望んだ。その想いが溢れ出しどうしょうもなくなり、リハビリに通った。その他、医療用の低周波機器を買って、本で筋肉の位置を調べ、電流を流した。眠った神経や筋肉を呼び戻すため、、もちろん我流と分かっているけど。「動け!動け。以前は動いていたはず」と呪文を唱え続けて16年。


上がらなかった腕が上がった。まずはヘソの所、次は胸部、顎の所まで、、。



内側に変形していた手首も曲がるようになった。ついには、弱々しいが人差し指と親指で物をつかめるようになった。


医者は「例が無い」と信じ難い表情を浮かべた。作業療法士も目を丸くし「あきらめない気持ちと努力、後は・・・」沈黙があって「財力かな〜」と言った。いわゆる、「可塑性」という脳神経の迂回路を創り出すのに十数年間もかかった事になる。



この男の齢、六十七。社会貢献をできたか?生産的な事をやったか?これで何ができたかと言うと何も無い。でも僕の尊敬の対象となり、勇気を与えてくれた男になった。

追記


ちらし寿司、揚げ出し豆腐。

久しぶりにまともな食事だったのでパチリ!