「今度、先生推薦のカツサンドを食べに行ってみます。でも高いからカツサンドだけにしようかな」「飲み物は?」「水でいいです」と笑う講師。













「勇気がいるオーダーの仕方だな」と言ったのが、つい先日・・・













授業が終わった22時40分、脳をフル回転させて教えるために、気持ちが高ぶり眠れそうになかった。ぼくにはよくあることだが、そんな夜はうんざりするほど長い。そこで最近、見つけた24h営業のマックカフェで、カプチーノを片手にSidney Sheldonを読むことにした。彼の作品は英語が簡単でサクサク読める。暇つぶしにはもってこいだ。













ストーリーに没頭し始めた頃、若い女の子のグループが、かしましく入店してきた。そして、それぞれに「私はチーズバーガー」「ハンバーガー」「ポテト」といった具合に単品を注文した。「お飲み物は?」という店員の問いかけに、口をそろえて、「水をお願いします」と答えた。















オッ、ここでも、堂々と水、と注文する子がいるのか・・・















そういえば、ヨーロッパからの留学生が「自国のレストランでは、水の代わりに炭酸水が出される」と話していたことを思いだした。僕が住んでいたシドニーでも、ちょっと高級なレストランではオーダーをする前に、炭酸水にレモンのスライスを浮かべたグラスが出てきた。その汗をかいたグラスを口に運ぶたびにリッチな気分なったものだ。








スーパーの棚にも炭酸水が大量に並び、留学当初、よくミネラルウオーターと炭酸水を間違って購入した。最初はなんてまずい水だ、と思ったが、お洒落なヨーロッパ系の人たちが、カフェのテラスでペリエを注文するのを真似て飲んでいるうちに、普通の水では物足りなくなった。















秋の夜長に水にまつわる昔の記憶がよみがえる。











う~ん、水とバーガーか?











若さが許すオーダーだ。オヤジの僕はとても、「ハンバーガーと水をください」とは頼めない。











些細な出来事だったが、人目を気にせず、あっけらかんと「水」と言える彼女たちが羨ましかった。











僕にもそんな時代があったのだ、と過ぎた日々を思い、感傷にふける深夜となった。