最近、白班など乳腺炎に近い症状のご相談がよくありますので乳管のつまりについてお話したいと思います。
乳管がつまる原因の詳細はまだ見つかっていませんが、母乳分泌が豊富なお母さんでかつそれぞれの側から授乳の際に最後まで母乳が外へ搾り出されていない場合によくおこるようです。
授乳をスキップするなどで完全な母乳排出がない、きつめのブラジャー、栄養不足そしてストレスがつまりを引き起こすといわれていますが、そのはっきりとした因果関係が具体的には解明されていないのも事実です。
また、冬によくこのような症状がみられることが多いともあります(厚めの服や寒い気候のせいかとも言われております)。

この乳管の詰まりはもちろん放っておけば乳腺炎を起こす可能性があります。

症状としましては、その部分の熱、赤み(そのつまった乳管が皮膚表面に近い場所にあるとき)、しこり、そして時々白斑とよばれる白い母乳の栓が乳首の開口部に見られます。

見つけて間もない場合はさっさと要領よくマッサージすることでそのつまりを完全に取り除くことができます。

もし絶えずその乳管のつまりを繰り返し、そしてかなりひどいケースであれば滅菌された針でその乳管を開くという処置をする内科医もいるようです(ただ私自身そのような処置は見たことがありませんし、数的にはあまり行われていないような気がします)。すると母乳のかすのようなかたまりが出てくることもあるようです。

乳腺炎、つまり熱がでたりなどの重い症状にならない限りこの時点では薬などを飲む必要はありません。

以下に乳管のつまりが起こったときの自己ケアを述べます。症状をふせぐためのポイントも抑えておりますのでぜひ参考にしてください。

*頻回に授乳を行う。母乳の排出を促すために詰まりがある側から授乳を始める。

*授乳時に乳房を押し下げる、また下方にやや下げて授乳を行う。

*母乳流れをよくするために授乳の前またはその最中につまりのある側をマッサージする。下から乳房を優しく支えてしっかりと乳房の周囲からマッサージします。また授乳中は親指で母乳が流れるように乳首へ向けてマッサージします。
シャワー中にこのマッサージするのも一つの方法です。

*すべての乳管から赤ちゃんが母乳を吸いだしてくれるように抱き方のポジションを変えます。そのうち一つは赤ちゃんの鼻がそのつまりがあるところの方向を指すポジションで授乳します。

*体をきつくしめるような服や下着をつけない。ワイヤーつきのブラや抱っこ紐なども避けます。

*レシチン(lecithin)のサプリメントを一日一つ服用するのも効果的といわれています。健康食品のお店などで手に入ります。


次回は乳腺炎についてお話ししますね。