収録曲
01 Alone - 4:32
02 Devil's Tower - 3:44
03 Fearful Heart - 3:52
04 Spanish Sea - 4:25
05 In a Little While - 4:49
06 Chelsea - 4:51
07 Chase the Rain - 3:16
08 Oh Why? - 3:55
09 Struck by Lightning - 4:17
10 We'll Keep On Running (featuring What So Not) - 4:41
リリース
2018年11月30日
プロデュース
Toto
参加ミュージシャン
Steve Lukather:guitars, bass, piano, sitar, vocals
David Paich:keyboards, vocals
Steve Porcaro:keyboards, synthesizers, vocals
Joseph Williams:vocals, keyboards
David Hungate/Mike Porcaro:bass
Jeff Porcaro:drums
Lenny Castro:percussion
Vinnie Colaiuta/Shannon Forrest:drums
Martin Tillman: cello
Mark T. Williams/Timothy B. Schmit/Pat Knox/Lorraine Paich/Weston Wilson:backing vocals
James Rushent/Surahn Sidhu/Trevor Lukather:additional instrumentation
2018年に過去アルバムを全て網羅したボックスセット"All In"がリリースされますが、このボックスセットには、過去のマテリアルを使った曲を含む15thアルバム"Old Is New"が入っていました。そして2020年7月にはこのアルバムのみ単独でもリリースされました。
収録された曲のうち半分が、ジェフ・ポーカロやマイク・ポーカロ、デヴィッド・ハンゲイトがいた時代の音源を利用して完成させた楽曲で、"Devil's Tower"、"Fearful Heart"、"Spanish Sea"、"In a Little While"、"Oh Why?"の5曲になります。当時の音源を基にジョセフほかのヴォーカル入れと、スティーヴのシンセサイザー等を追加したものと思われます。特に"Devil's Tower"と"Spanish Sea"には、初期のTOTOの雰囲気が感じられます。
残りの曲が新曲になります。今回の新曲ですが、前作"TOTO XIV"は重いギターが全面に出た曲が多いアルバムだったので、それに比べると本作はよりシンセサイザーが目立つ作りに感じます。象徴的なのが1曲目の"Alone"で、イントロからシンセサイザーが主役の作りです。
そしてこの新曲のうち3曲でドラムを担当するのがヴィニー・カリウタです。まさに万人がTOTOの音楽性に近いドラマーだと感じるであろう人選です。そして、その期待通りのドラムを披露してくれています。
残りの新曲のうち、スティーヴの1曲ではツアーメンバーのシャノン・フォレストが、これもTOTOらしいドラムを聴かせてくれています。そして最後1曲は、電子音楽プロジェクト"What So Not"とコラボした楽曲で、TOTOの演奏はなく、ルークとジョセフがヴォーカル入れのみしています。
新曲でのベースは、ルークが2曲演奏し、残りはジョセフとスティーヴのシンセベースです。生音でないベースの楽曲をTOTOとしてリリースしたのは初めてではないでしょうか。この点はらしくないな、と少し残念に思いました。
ジョセフのヴォーカルですが、アルバム全体では伸びやかな高音のヴォーカルを聴かせてくれていますが、"Struck by Lightning"、"We'll Keep On Running"では、"The Seventh One"を彷彿とさせるような激しいシャウトも聴かせてくれます。
本作での楽曲制作はメンバー個別ではなく、コアメンバーの4人合同で行っており、バンドとしてのまとまりは前作同様です。ただし、このボックスセットのリリース及びライヴツアー"40 Trips around the sun world tour"の後に、TOTOは活動休止して、4人はいったんバラバラになってしまいました。その件については、過去のブログにも書きました。
活動再開後の2022年のツアーには、4人のうち、ルークとジョセフしか残っていませんので、この4人でのTOTOは見られなくなりました。そして今後は、TOTOの名前の使用にジェフとマイクの遺族にお金を払う必要があることから、新作発表を控えると予想されます。つまり本作はTOTOのラストアルバムになる可能性が高いです。
ヴィニーが一部でドラムを担当するなど、最後の最後でTOTOらしい制作陣でのアルバムを作ってくれました。見事な締めになったなという気持ちと、この4人でのTOTOを続けてもらいたいという相反する気持ちで、複雑な思いです。