1992年9月、
ソロス氏率いるヘッジファンドのポンド売りに対し、イギリス通貨当局がぼろ負けし、ポンドが事実上の欧州為替相場メカニズムから脱退する羽目に追い込まれました。
これはヘッジファンドが英国を圧し潰した画期的な勝利でした。
でも勝負は始める前から、どっちが勝つかは予想できたようです。
たとえば英国が10兆円用意して買い支えようとしても、ソロスにはそれより少ない資金で勝てるからです。
もしも為替取引のレバレッジが500倍なら、ソロスが1000億円用意すれば、それで50兆円分の取引ができます。さらに提灯もたくさんつきますから、英国側に勝ち目はありません。最初は一対一でも直ぐに一体多数になります。
なら英国側もレバレッジで戦えばよさそうなものですが、役人たちにその度胸はないでしょう。ソロスが負けても自己破産で済みますが、英国側は負ければ国が破綻しますから。
日本の為替介入が焼け石に水だと言われてますが、ソロスレベルの攻撃を受けていたら、それどころの話じゃないと思います。今頃、大変なことになっていたでしょう。やはり対外資産が膨大(411兆円)なこと、外貨準備高(1兆5000億ドル)、国債の海外保有率が低い(13%)ことが、最後の救いなのかもしれません。
ヘッジファンドなら、もっと楽に勝てそうな国を選ぶでしょうから。
もし私が財務官なら、円買いで5円くらい一気に動かしたら、即座に半分くらいの資金でドルを買って3円くらい戻します。これを3~4回繰り返します。
なんだか無意味なようですが、10分か20分の内にこれをやりますと、先物やオプション、デリバティブなどで円売りを仕掛けていた連中を切り崩して、一瞬ですがある程度撃退できます。戻したところから円を売ると、又彼らも円売りに走りますが、またまた同様に切り崩して、、それを繰り返されたら、凄いストレスになります。
まあ猫パンチみたいなものなので、大きな流れとしての円安は防げませんが、円安の速度調整はそこそこ可能になるかも。
彼らは出来るだけストレスなく利益を上げたいでしょうから、面倒くさい円ではなく、ポンドなど他の通貨を狙うと思います。と、素人考えで思った次第。
果たしてどうなるんでしょう。たぶん200円まではいきそうですが。