ところが
来年春の日銀総裁人事によっては、アベノミクスが終わり、株式市場が下降局面になる可能性があるので、去年のような運用益は難しいでしょう。もしかしたら逆に単年度計算で赤字化するかもしれません。
今も立憲民主党などはアベノミクスの金融緩和を全面否定していますが、当時も欧米が金融緩和政策をとったにもかかわらず、民主党と日銀は「金融緩和をすると円安になり物価が上昇する」と主張して緩和をしませんでした。
その結果ドル円は75円という超円高になり、企業の海外生産が加速して、国内経済はますます疲弊してゆきました。円高は海外投資には役立ちますが、デフレ経済になりやすく、産業の空洞化を招き、平均賃金の上昇も期待できません。
たとえば、2011年吉野家の牛丼は380円でした。
安倍政権になって黒田総裁が異次元緩和を始めたら280円に値下がり。その後も2014年300円。2014年末から2018年末まで380円になっています。
安倍政権下でドル円相場は75円から107円(2020/8/31)へと円安になりましたが、退陣時点で牛丼は387円。結局、吉野家の牛丼も安倍政権下で380円から387円に値上がりましたが、民主党の予測したインフレどころか、ずっとデフレ経済でした。ミクロでもマクロでも民主党の経済予測が間違っていたことが証明された感があります。
平均賃金も民主党政権では、2009年405.9万円が2012年に408万円。確かに2.1万円増えましたが、安倍政権下では2019年に436.4万円になり、28.4万円増えています。前者は3年半で0.5%の増加率ですが、後者は8年間で約7%になっています。
このところニューヨークの物価高が話題になっていますが、確かにラーメン2800円とか聞くと、ラーメン好きの私には卒倒しそうな世界です。日本に住んでいてよかったとつくづく思います。
米国の平均賃金は上がっているのに日本は上がらないじゃないか、とよく聞きますが、平均賃金の上昇は必然的に物価高を伴うので、必ずしも良いとは思いません。
なぜなら年金や貯金に頼っている高齢者が国民の3人に一人いるわけですから。デフレとは言わないまでも、インフレ率が低い方が高齢者にとっては生活が楽なのです。
つづく