人間も老化しますが、年齢別人口が逆ピラミッドになると、国も様々な面で老化する気がします。
老後の生活設計に年金や貯金を充てるとか、不動産を貸して家賃収入を得るとか、投資で稼ぐとか、人間ならばいろいろ考えられますが、国はどうすればいいのでしょう。
人間には寿命があるので、年金や貯金はある程度あればいいでしょうが、国には寿命がありません。なので、継続的な収入源(税収)が必要になります。ですが人口の減少と高齢化で経済が衰退し、産業の国際競争力が急低下していくと、収入よりも支出が多くなります。昨年度で見ても、税収67兆に対して国家予算は142兆を超えています。税収の倍以上の支出ですね。
でも、全く希望がないわけではありません。
その一つの例が、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)です。
『GPIFの運用資産は2021年度第2四半期(7月~9月)時点で194兆1,197億円となった。また、2020年度の運用成績は、運用を始めた2001年以降で過去最高の37兆7,986億円の黒字を記録。2021年度第2四半期までの累積収益額は102兆1,946億円に達した。過去には収益額がマイナスで推移した年度もあるが、長い目で見た運用資産は増加傾向にある』
とのことですが、37兆と言えば、消費税の18.5%分に相当します。21年度の消費税収が約22兆円ですから、如何に巨額かわかります。ただ去年はよかったものの、20年間で102兆というのでは、年平均5兆でしかありません。それはたぶん政府や日銀の政策とポートフォリオに問題があったような気がします。今年度は、外国株式の評価益が貢献するでしょうが、それは円安効果です。しばしば円安は悪いことだと誤解されていますが、必ずしもそうではありません。
その意味では、安倍さんの国内での功績は、まずアベノミクスでしょう。
なぜなら102兆の収益のうち約86兆が第二次安倍政権以降だからです。
民主党政権の時は異常な円高(1ドル=75円)もあって、たいして利益がなかったわけですから。アベノミクスには功罪両方ありますが、これは「功」ですね。
それと日経平均株価ですが、民主党政権では9508円(2009/7/21)から9826円(2012/12/16)へと僅か316円(3.3%)の上昇でした。安倍政権下では9895円(2012/12/17)から23425円(2020/9/16)へと13530円1(36.7%)の上昇でした。円安への移行とこの日経平均株価の上昇が年金積立金の急増に大きく寄与したわけです。
つづく