私はあの「Z」マークを最初に見た時、あるアカデミー賞の受賞映画を思い出しました。
それはコスタガバラス監督の「Z」です。
「『Z』は、1969年のアルジェリア/フランス共同制作映画。1963年に軍事政権が全ての権利を掌握していた王制下のギリシャで起きた自由&平和主義者グリゴリス・ランブラキス暗殺事件をモデルとしたヴァシリス・ヴァシリコス(英語版)による同名の小説(1966年刊行)を、コスタ=ガヴラス監督が映画化したもの。
『告白』、『戒厳令』と共にガヴラス監督の「三部作」といわれている。
タイトルの『Z』は、ギリシャ語の「Ζει」に由来する。「彼(ランブラキス)は生きている」を意味するこの言葉は、ギリシャにおける政治的な抗議のためのスローガンであった。」
上記はウィキペディアでの説明ですが、公開時期がちょうど安田講堂事件の頃だったので、連日のようにニュースで、このZマークを書いたヘルメットをたくさん見ることになりました。
映画としては、同じイブモンタン主演の「告白」の方が好きでしたが、「Z」もとてもよくできた映画です。アカデミー賞の編集賞と外国語映画賞。カンヌ国際映画祭の審査員賞と男優賞。ニューヨーク映画批評家協会賞。作品賞。ゴールデングローブ賞の外国語映画賞。全米映画批評家協会賞の最優秀作品賞、など国際的にも高く評価された作品です。
イヴ・モンタンは「告白」では、撮影中に体重を15キロも落としたまさに迫真の演技でしたが、この「Z」でもリアルすぎるほどの名演です。もともとシャンソン歌手でしたが、1953年のカンヌ国際映画祭のグランプリと男優賞を受賞した「恐怖の報酬」で、俳優として開花したような気がします。