天安門事件の時、中国は内戦になるんじゃないかという報道がたくさん出ました。すでに人民解放軍のいくつかの部隊が戦闘状態にあるとか、各地で砲撃や銃撃の音が響いているとか。


新聞の見出しにも、


「軍同士が衝突か、重火器の砲声響く。内戦に発展の様相も。北京」1989年6月6日朝日新聞


「軍同士、各所で銃撃戦。戒厳軍が深夜移動。内戦の危機はらむ北京」1989年6月7日朝日新聞

「北京市内で軍にらみ合う。反戒厳部隊が進出 27軍, 中心部に再集結」1989年6月8日朝日新聞

戒厳部隊と反戒厳部隊の間で戦闘が始まったとの報道もテレビニュースで連日のように放送されていました。人民解放軍同士の戦いというのは、意外というか衝撃的でした。

そんな時、父に連れられて昼食に出かけたのですが、そこに父の友人の方が同席することになりました。名刺をもらったら、内閣審議官。

食事しながらの話題は、当然のように中国の話です。内戦になれば、日本にもかなりの影響がありそうですから気になります。

そしたらあっさりと「内戦は起きてないですよ」とのこと。米国からの情報で逐一把握しているそうです。スパイ衛星とか無線傍受とか、内通者とか、いろいろあるんでしょう。詳しい事は教えてくれませんでしたが、広場等での被害状況もほぼ掴めていると言っていました。

そりゃそうですよね。
いや、そうでなければ国の安全なんて維持できません。米軍経由か、外務省経由かはわかりませんが、結構密に連絡できているようです。

そうなると、あのマスコミ報道って何だったんでしょう?事実無根のいい加減なことばかり並べていたわけですから。あの朝日だけならまだしも、ほとんどのマスコミが似たり寄ったりでしたので、訳がわかりません。

プロパガンダと情報戦の複雑なマスコミ操作を、関係諸国それぞれの思惑でやっていたのでしょうか。怖い世界ですね。結局皆、自国ファーストということのようです。

あれ以来、私はマスコミ報道を鵜呑みにしないことにしています。