やはり榎本憲男氏の小説は面白い。
 単に警察小説というだけでなく、情報化社会の盲点、外交など多様な視点が交わり、大変勉強になる。
 
 そして、今回感じたのは、日本が真に自立を果たせていないことが明確になったこと。

 戦後の日米関係の中で、アメリカの傘下となり、保護を受けながら、今に至る。経済や国防分野などで日本のみの意向で進めることができなくなるのは当然のことだろう。

 その真実を考えることもなく、情報に操られながら、なんとなく日々を過ごしていく。日本は平和な国であるが、実は、子供が何も知らずに無邪気に暮らしているのと同じような気がしてきた。

 多面的に情報を得て、歴史を知り、信じたい情報だけにとらわれることなく自分で冷静に考えること。大人になるのは大変な責任を伴う。