私は右に行くか?左に行くか?
悩んだ時、もちろんアドバイスは受けますが自分の直感で決める事が多くあります。
それが結果的に間違っていたとしても決めたのは自分の方程式ですから誰かを責めたりはしません。
あくまでも自分で決めた事。
不動産会社の社長さんからのクラブのママの話を承ける事を決めて、それまで働いていた会社に辞表を出しました。
会社では青天の霹靂。
まさか私が辞めるなんて誰一人、考えていませんでした。
当時はバブル時代。
とにかく街にはお金を持っている人達が溢れていました。
タクシーも空車なのに手を上げても止まってくれず、お札を見せると乗せてくれる、そんな時代でした。
だから私の報酬も今なら破格ですがバブル時代だから頂けた金額でした。
私がいた会社はバブル崩壊後、かなり事業を縮小し今でも存続してはいますが1社だけ残して私のいた頃の様な輝きは失っています。
直ぐにクラブのママになる準備を始めました。
新しい会社の社長さんから契約金が私の口座に振り込まれ、新しい着物も10枚、手元に届きました。
私は働く条件に黒服を一人連れて行く事だけ、お願いしました。
私が離婚した時にアルバイトしていたクラブで働いていた黒服です。
一人でも私を知っている人を側に置きたくて提案しました。
直ぐに承諾されました。
私の初出勤の日。
店内にはお祝いの胡蝶蘭の鉢植がズラーッと並んでいました。
そして私はススキノに働く女性のドロドロとした嫉妬や妬みの世界に足を踏み入れました。
−話は続きます−